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都内の食品会社・団体、放射線の検査や基準で独自手法

東京都内の食品関係の企業や社団法人が放射線の検査方法や新基準の開発に相次いで乗り出している。政府も食品中の放射線量の基準値を厳格化する方針だが、企業側は独自の方法で肉や野菜など自社食品の安全性をPRし、消費者の安心につなげる狙いだ。

「東の食の会」は遮へい空間で食品サンプルの放射線量を測る

東日本の食文化の振興を目指す一般社団法人「東の食の会」(東京・渋谷)は食品の放射線量を簡易に検査できる方法を独自に開発。2012年春までに首都圏の市場や卸売業者などへの指導サービスを始める。

検査法は国際原子力機関(IAEA)元顧問のジェームス・スミス氏の協力を得て、測定時間を徐々に短縮していきながら、精度を確認する数十パターンの試験測定を行って開発した。

肉や野菜などの食品を入れた段ボール箱に簡易式の放射線量測定計を密着させて測る。放射線が不活性ガスを詰めた円筒形の容器の中を通った時に発生するパルスを捕捉する。重さ最大6キログラムの食品を最速約10秒で調べることができる。

食品の放射線量を箱の外から測る手法は全国でも珍しい。独自に放射線検査をしている企業や団体でも、1回の測定に数十秒かかるケースが多いなか、計測時間の短縮にもつながる。

新方法は、事前に検査場所の空間線量を計測したうえで、食品の中にセシウムなどの放射性物質を入れてテスト検査を実施。基準となる放射線量を定め、食品の線量が下回っていれば出荷できるようにする。

肉や魚などのサンプルの放射線量も細かく測る。鉛などで遮へいされた空間で測定計を使用。1検体につき3分半~15分で測ることができる。食品サンプルの放射線検査を専門機関に依頼する場合、検査回数が限られ、順番待ちの時間も長い。

一方、カタログハウス(東京・渋谷)は販売する食品の放射線量についての独自の基準を11年度中につくる。厚労省の暫定基準は放射性セシウムの量が野菜類、穀類、肉、卵は1キログラムあたり500ベクレル、牛乳と飲料水は同200ベクレル。厚労省も12年4月ごろに暫定基準を見直す予定だが、同社は先行してより厳しい基準にする方針だ。

有機野菜宅配の大地を守る会(千葉市)とパルシステム生活協同組合連合会(東京・新宿)、生活クラブ事業連合生活協同組合連合会(同)と共同で実施。各団体の食品担当者が定期的に集まって作成する。

食品宅配大手のらでぃっしゅぼーや(同・港)も野菜、米などに含まれる放射性セシウムを1キログラムあたり50ベクレル、牛乳、飲料水を同20ベクレルとする自主規制値を設定。魚や加工品についての規制値も検討している。

同社は有機野菜などを主に販売しており、食品の安全性への配慮を特長にしている。東日本大震災の発生から8月末までに「放射線の安全性を高めないのか」という顧客からの問い合わせが約1万件あり、独自に基準をつくることにした。

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