2019年2月16日(土)

次世代路面電車は「架線レス」 電池車両が商用段階に

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2011/11/11 7:00
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近畿車両が開発した「ameriTRAM」の模型

近畿車両が開発した「ameriTRAM」の模型

大容量の蓄電池を積んで架線による給電なしで市街地を走ることができる次世代型の路面電車が実用段階に入った。すでに近畿車両川崎重工業など車両メーカーが高性能の電池を搭載した路面電車を開発し、国内外の営業路線で実証試験やデモンストレーション走行に乗り出している。都市部では温暖化ガス排出削減や景観維持、安全性の観点から路面電車の導入機運が高まっている。近い将来、日本の得意技術を生かした新型電車が世界の街中をスイスイ走る姿が見られるかもしれない。

近畿車両が開発したのは新型低床路面電車「ameriTRAM」。車内は広々とした段差の無い空間が広がるが、座席の下には左右12個ずつ、計24個のGSユアサ製のリチウムイオン電池が搭載してある。ここに蓄電することで架線から給電しなくても市街地を約10キロメートル走ることができる。従来の「電車」のイメージを大きく変える車両で、幕張メッセ(千葉市)で開催中の「鉄道技術展」では、その一部を実物大で再現している。

「鉄道技術展」では、「ameriTRAM」の車両の一部を実物大で再現している(千葉市の幕張メッセ)

「鉄道技術展」では、「ameriTRAM」の車両の一部を実物大で再現している(千葉市の幕張メッセ)

市街地では景観と安全性を確保する観点から電力供給用の「架線」が問題となることが多い。「(米国ワシントンの)ホワイトハウスの前を横切って架線を張るわけにいかないし、台風で切れたら通行人や近隣住人に危険も生じる」(近畿車両の車両事業本部、南井健治・国内営業部長)。電線や電話線の地中化は進んだが、路面電車の架線は車両への給電が必要な限りどうしても必要だった。

今回の新型車両はその壁を打ち破り、制約が多い繁華街などにも路線を延ばすことができる。屋外設備が少なくなれば、それだけ維持コストが減るという利点もある。

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