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東京・江東区、有楽町線延伸「上下分離」方式で

計画案、三セクが整備し運営はメトロ

東京都江東区は東京メトロ有楽町線を豊洲駅から半蔵門線の住吉駅まで延伸する事業計画案をまとめた。延伸部分の整備は江東区などで構成する第三セクターが担い、開業後の運営は東京メトロが担当する「上下分離方式」での経営を想定している。東京メトロの路線で上下分離方式を採用するのは初めて。区は2015年度までの着工を目指し都や東京メトロなどと調整を進める。

延伸区間は豊洲―住吉間の5.2キロメートルで、途中で交差する東京メトロ東西線の東陽町駅と接続する駅を設ける。豊洲駅と東陽町駅、東陽町駅と住吉駅の間に一つずつ、新駅の建設も想定しており、整備費は900億~1100億円を見込む。

区は事業実施にあたり、国や地方自治体、路線を建設する整備会社が費用を3分の1ずつ負担する都市鉄道等利便増進法の適用を目指す考え。整備主体の三セクは施設使用料として、東京メトロから年間20億~30億円の支払いを受け、開業後30年以内で費用償還を終えたい考えだ。

江東区が事業計画をまとめたのは、区内の南北の交通の便を向上させるため。東西を結ぶ鉄道路線は充実している一方、南北はバス路線が中心となっているのが現状だ。

区の試算によると、現在計画中のマンションなどの開発事業により、延伸区間に住む人口は29年までに現在の16万人から29万人に増加する見通し。同区間は1日あたり18万~22万人が利用すると見込んでいる。

区や東京メトロは延伸により、東西線のほか、JR京葉線など周辺路線の慢性的な混雑の緩和にもつながると期待している。東西線の混雑率は197%(09年)で、私鉄では最も混み合っている。区は計画が実現すれば東西線の混雑率は182~184%に低減できるとみている。

同区間の延伸は国の運輸政策審議会が00年に出した答申で、15年までの着手が望ましい整備区間に位置付けている。

答申は同時に住吉駅から先への延伸も取り上げている。豊洲―住吉間が完成しないと他の延伸区間も事業を進められないため、江東区は今後、先の延伸区間に位置する墨田区や葛飾区、千葉県松戸市なども三セクに参加するよう交渉を進める。

上下分離方式は人口が減少する中で、事業者の経営を安定させて地域交通を維持・活性化するために08年の法改正で認められた。線路などの施設管理は関係自治体、運転業務などは鉄道会社が担当してリスクを分散することで、新路線の建設や運行がしやすくなる。

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