2017年12月12日(火)

ブルーベリー収穫量3倍 農工大、果物に「植物工場」

2011/6/17付
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 東京農工大学(東京都府中市)はブルーベリーを生産する「植物工場」の実用化に国内で初めてメドをつけた。大学構内で17日に実証工場を開設して食品、製菓会社、流通業などにアピールし、産学連携による生産を目指す。従来、野菜に比べ栽培期間の長い果物は工場生産に不向きとされていたが、生育サイクルを短縮し収穫量を増やす独自技術を開発した。将来はイチゴやサクランボなどにも応用し、大消費地の首都圏を中心に商品の安定供給に適した植物工場のノウハウを広めたい考えだ。

 植物工場は同大の府中キャンパス内に設置した。地上1階、地下1階建てで、地上部分は太陽光をとり入れるためガラス張りにした。工場の屋根にはソーラーパネルを設置し、省エネにも配慮。経済産業省からの補助金などを活用、約4億円の事業費を投じた。

 工場内の温度・湿度や光量などを細かく調整して、人工的に四季を再現する。地上に「春、夏、秋」、地下に「晩秋、冬、早春」の環境となる部屋をそれぞれ設置し、各部屋を移動させながら苗を育てる。ブルーベリーを畑で栽培すれば通常、育成に1年かかるが、工場栽培は「半年程度で済む」(同大)としている。

 また、二酸化炭素(CO2)を注入して光合成を活発にすることで、実がなる割合を増やすことにも成功。通常の畑での栽培に比べ年間収穫量は3倍と大量供給にメドをつけた。

 ブルーベリーは季節により供給量が変動するが、洋菓子などで1年を通じて一定の需要がある。また、1キログラムの卸売単価は2000円前後と「ほかの果物より高い」(同大)ため、植物工場でコストをかけ栽培するのに適しているという。

 同大は商業ベースの工場開設に向けて九州の健康食品メーカーと交渉中。栽培場所や規模、品種などは未定だが、同メーカーは健康食品原料の安定調達などを目指すとみられる。異業種の参入も見込まれ、東北の製造業から空き工場の利用策として相談が来ているという。

 植物工場の普及に向けて製菓、流通、外食などの企業向けに短期間で工場や栽培の仕組みを理解する研修プログラムも用意する。

 また、販売単価が高く、消費者にも人気が高いイチゴやサクランボなどへの応用も検討する。

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