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「高速無料化」中止 民主政権、財源巡り迷走

民主党がマニフェスト(政権公約)で掲げた「高速道路の無料化」が事実上の断念に追い込まれた大きな要因は、財源の問題だった。

そもそも「休日(土日・祝日)上限1000円」は麻生政権時代の2009年3月に「2年間の期限つき」で導入された。その財源は日本高速道路保有・債務返済機構が抱える約40兆円の借金のうち、3兆円を国が肩代わりしてさまざまな割引を実現する変則的な「打ち出の小づち」方式だった。

国が機構の借金を肩代わりすれば、東日本高速道路会社など高速道路会社(旧日本道路公団)が機構に支払っている道路使用のリース料を安くできる。高速道路会社はその分、道路料金を値下げできるという複雑な仕組みで財源を何とか確保した。料金割引制度は、機構の借金を国民の負担に静かに置き換える形で広がった。

その後、民主党は09年の衆院選で「12年度までに原則無料化」を公約に掲げて圧勝。必要な予算は1兆3000億円と見積もった。鳩山政権が誕生すると、まず東名、名神高速などを念頭に10年度予算案の概算要求に6000億円盛り込んだ。

しかし予算編成は難航。10年度予算に盛り込まれたのは1000億円にすぎず、全体の2割程度にあたる地方路線50区間(約1600キロメートル)の導入にとどまった。

その一方で、鳩山政権は「休日上限1000円」をやめる方針を決定。10年4月に前原誠司国土交通相(当時)は「普通車で上限2000円」とするなど、曜日を限定しない新たな料金制を導入すると発表した。

ところが「この料金制度では一部で値上げになってしまう」と小沢一郎民主党幹事長(当時)の反対で差し戻しになる。

政府と民主党が合意したのは10年12月。民主党が惨敗した参院選後だ。「普通車で休日上限1000円、平日上限2000円」とする制度で、今年4月導入予定だった。しかし東日本大震災の被災地復旧・復興の財源が他に見つからず、導入は幻となった。

今回の料金の見直しでは、民主党国土交通部門会議が了承を見送ったまま、政府と党執行部は中止を決定。政府は東北地方の高速道路無料化を検討しているが「誰がどこで何を決めているのか、わからない」(川内博史衆院議員)と党内に今も不満はくすぶる。

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