原発政策、日本どうする 火力発電頼みは問題

2011/4/30付
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無人機で撮影した福島第1原発(3月24日)=エアフォートサービス提供

無人機で撮影した福島第1原発(3月24日)=エアフォートサービス提供

Q 福島第1原発事故は世界各国の原発政策にどう影響しているのか。

A ドイツのメルケル首相は脱原発への政策転換を打ち出した。昨年秋に既存原発の稼働期間を延長する計画を決めていたが、事故を受けて急転換した。イタリアも原発建設の再開を当面断念した。中国は原発推進の姿勢は変えていないが、安全計画を策定するまで新規の建設計画の承認を一時的に止める。

一方でフランスや米国は現状の政策を変更しないとしている。原発の新規導入を進めるトルコやベトナムも方針を変えていない。

Q 日本の政策はどうなるのか。

A 海江田万里経済産業相はエネルギー政策を「ゼロベースで見直す」と表明。「今後のエネルギー政策に関する有識者会議」(エネルギー政策賢人会議)を設置し、5月上旬から数回にわたって議論する。

Q 現行政策での原発の位置づけは。

A 現行のエネルギー基本計画では電力などの安定供給と二酸化炭素(CO2)排出量削減のため、原発を政策の中心に据えている。原発などCO2を出さないゼロエミッション電源の電源構成に占める比率を、現在の34%から30年に70%まで引き上げる。このため30年までに少なくとも14基の原発を新増設し、設備利用率を60%から90%に高めることを盛り込んだ。

Q エネルギー基本計画も見直されるのか。

A 今回の事故で原発の安全性に疑問が広がり、電力会社が進める新増設計画をこれまで通り推進するのは難しくなった。前提が崩れたことで、同基本計画の見直しも避けられなくなった格好だ。

Q 日本も脱原発へ動くことになるのか。

A 簡単に脱原発に踏み切れるほど状況は甘くない。電力供給の安定性確保が難しいからだ。電力消費量は企業の生産活動に直結する。電力不足で国内産業が流出することになれば、雇用などへの影響も大きい。

火力発電増強に踏み切れば、石油や天然ガスなどの価格に左右されやすい状況が生まれる。新興国の需要増や投機マネー流入で上昇基調にある燃料価格が国内の産業や生活を直撃しやすくなる。CO2排出量削減を目指す環境政策とどう整合性を保つかという問題もあり、課題は複雑だ。

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