大阪地裁「刑事司法の根幹破壊」 元主任検事に実刑
証拠改ざん事件

2011/4/12付
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大阪地検特捜部の捜査資料改ざん・隠蔽事件で、12日の大阪地裁判決は元主任検事、前田恒彦被告(43)を「刑事司法の根幹をも破壊しかねない所業」などと厳しく断罪した。ただ、改ざんを隠蔽したとして起訴された上司2人の関与には触れず、事件の背景となった特捜部ひいては検察の捜査のあり方も含め一連の事件の真相解明は、今秋以降に始まるとみられる上司らの公判に持ち越された形となった。

大阪地検特捜部資料改ざん事件の判決公判で、大阪地裁に向かう最高検の検事ら(12日午前)=共同

大阪地検特捜部資料改ざん事件の判決公判で、大阪地裁に向かう最高検の検事ら(12日午前)=共同

判決理由で中川博之裁判長は改ざんについて「検察庁のみならず、刑事司法全体の公正さに対する国民の不信を招いた」と指弾。村木厚子・元厚生労働省局長の公判が紛糾して上司に叱責されるのを避けるためだったなどと動機を認定し、「主任検事の重圧があったにせよ、極めて短絡的で検察官の行為として常軌を逸している」と厳しく批判した。

これまでの公判で検察側は、前田元検事の上司で犯人隠避罪で起訴した元特捜部長、大坪弘道被告(57)と元副部長、佐賀元明被告(51)について「犯行のもみ消しを図った」などと隠蔽行為についても指摘。前田元検事も被告人質問で「上司の方針で、改ざんを過誤にすり替えた」と述べ、上司の関与を認めた。

一方で、大坪元部長らは自らの起訴内容を一貫して否認しており、前田元検事の改ざん行為を「故意とは知らなかった」と主張、検察側と全面的に争う構え。このため大坪元部長らが改ざんを犯罪と認識しながら隠蔽したかどうかについて、この日の判決がどう言及するかも注目されたが、中川裁判長は2009年7月のフロッピーディスクの改ざん行為について事実認定するにとどめた。

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