首都圏への避難者1万2000人に 生活支援、民間の手で

2011/4/5付
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東日本大震災の被災地から首都圏の1都7県に避難している人が少なくとも1万2千人にのぼることがわかった。福島第1原子力発電所の事故処理の見通しが立たないなど、滞在の長期化が予想される中、首都圏の民間事業者で避難者の生活を支援する動きが広がっている。内容も散髪や資金繰りの相談など多岐にわたる。

避難者数は東京、神奈川、埼玉、千葉、山梨、茨城、群馬、栃木の1都7県が4月上旬時点で把握している数を集計した。自治体によっては、公営住宅や親戚の家に避難した人の数は含まれておらず、これよりも多い可能性もある。

こうした避難者の生活を支援する民間事業者が相次いでいる。

「2カ月ぶりの散髪でさっぱりした。髪を切ったらほっとした気持ちになった」。福島県南相馬市から娘と2人で避難してきた76歳の男性は笑顔を浮かべた。東京都足立区の理容事業者の組合などが、4日、避難所になっている東京武道館(東京・足立)で臨時のヘアサロンを開いた。被災者の髪を無料で散髪し、避難疲れを癒やしてもらう試みで、5、11、12日も開催する。

群馬県内でも11日、美容室11店が高崎市などの避難所で髪を切るサービスを始める。茨城県理容生活衛生同業組合も要請があれば避難所で散髪をする方針だ。

埼玉県内の約70カ所の営業拠点を活用するのは埼玉トヨペット(さいたま市)。各支店長が営業地域の避難所を訪問している。必要な物資を聞き取りしたうえで、社員が持ち寄った衣類などを無償で届けている。

埼玉りそな銀行は3日、福島県双葉町民が避難している加須市の旧高校校舎で、地元JAや信用金庫などと相談窓口を開いた。通帳がなくてもどうしたら預金が引き出せるかといった問い合わせに応じたほか、事業者には資金手当てなどで助言した。

菓子メーカーの大麦工房ロア(栃木県足利市)は避難所でケーキを作り、避難者に提供した。栃木県内各地の避難所に菓子を定期的に届ける「応援菓プロジェクト」も準備中という。

千葉県内のホテルの料理人らで構成する全日本司厨士協会千葉県本部(千葉市)は18日、地震の被害が大きかった旭市内の避難所で昼食を無料で振る舞う。カレーやデザート、スープなど約70人分を提供する予定。旭市内には4カ所の避難所があり、残りの3カ所でも5月までに同様の支援をする計画だ。

6つの生活協同組合で構成するユーコープ事業連合(横浜市)は神奈川、静岡、山梨の3県に避難する人を対象に、割引サービスを開始した。宅配料(1回105円)を無料にするほか、店舗購入時は購入額から5%値引きする。

避難者に限った支援ではないが、ホテルが入浴施設を開放したケースもある。液状化で水道が使えない世帯が多い千葉県浦安市ではヒルトン東京ベイやシェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテルなどが市民に有料で使えるようにした。「1日50人程度が訪れる」(ヒルトン東京ベイ)

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