2018年7月19日(木)

福島第1原発、3つの可能性 冷却システムが左右

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2011/3/24付
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 東京電力福島第1原子力発電所では外部電源を使う準備が整い、原子炉内の燃料の過熱が懸念される1~3号機で外部電力を使った冷却作業が始まる。原子炉を安全な状態にどう持っていけるか、想定されるシナリオを検証する。

【ケース1】炉心損傷したが危機は回避

 外部電源は使えるようになったものの、冷却に使える装置がすぐには100%動かず、現在の応急的な冷却に頼りながら徐々に原子炉を冷やしていく。最もあり得るシナリオだ。

 津波などの影響で冷却システムのポンプやモーターなどのすべては順調に動かない可能性が高いためだ。「電気は通じるようになったがまだすぐ使える状況ではなく、予断を許さない」(中野益宏・日本原子力技術協会情報・分析部長)との見方が根強い。

 この場合、本来の冷却システムの復旧を目指しながら、消火用のシステムを使ってポンプで海水を断続的に注入するという現在の方法を続けることになる。

 このやり方では安全な温度に下がるまで数週間かかるとみられる。水の注入が長期化すると、原子炉内の圧力を下げるため炉内の水蒸気を外に出す必要が生じ、放射性物質が徐々に放出される。注入した水の一部が漏れて現場付近の汚染が広がる懸念も出てくる。

 また、現在のように冷却に海水を使い続けると「冷却水の蒸発で塩がたまり、配管をふさいで冷却効果を落としたり弁をつまらせたりする恐れがある」(有冨正憲・東京工業大学原子炉工学研究所長)との懸念もある。

【ケース2】冷却機能が回復し冷温停止

 最も好ましいケースは、原子炉を冷却するための本来のシステムが外部電源の開通によってトラブルなく動くこと。そうなれば数日で原子炉を「冷温停止」と呼ばれる安全な状態に持っていくことができる。

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