2019年8月20日(火)

滞る支援物資、集積所に山積み 道路寸断が運送阻む

2011/3/18付
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東日本大震災の被災地で、避難所に支援物資が円滑に届かない状況が続いている。集積場には世界中から届いた食料や医薬品、衣服が山積みになっているが、道路の寸断や燃料不足が行く手を阻み、運ばれるのは近くの避難所だけ。地震発生から18日で1週間。連日の寒さの中、雪が積もった避難先で人々は物資到着を待ちわびている。

山積みになっている支援物資(17日、仙台市宮城野区の宮城県消防学校)=写真 塩山賢

仙台市に運び込まれる生活物資を集約する同市宮城野区の消防学校体育館。バレーボールコート2面分に食料品や毛布、竹炭、マスク、赤ちゃん用おむつなどが詰まった段ボールが積み上がる。

大型トラックがひっきりなしに出入りし、避難所に向かう。被災した運転手が仕事に復帰し始めたこともあり、運べる量は日ごとに増えている。しかし運送先は仙台市内の避難所が中心。道路の寸断に燃料不足が加わり、遠方へはなかなか届けられない状況が続く。

宮城県内では避難所生活を送るのは約20万人。県はこれまで雑然と合同庁舎などに積み上がっていた物資を「食品」「衣類」「生活用品」「暖房」に4分類。それぞれを専用倉庫に再集荷し、被災した市町村の要請に応じて必要なものを送って効率化に努める。1100カ所以上に及ぶ避難所の集約も課題で、県は「ガソリンが足りないので、全ての避難所に十分な物資は運べない」として、市町村にできるだけ集約するよう求めていく。

ただ、自宅で暮らす被災者の物資不足も深刻で、曲がりなりにも物資が届けられる避難所に対して複雑な感情も芽生え始めている。早朝から市内の百貨店開店を待った会社員女性(54)は「自宅にはカップ麺2日分くらいしか食料がない。救援物資は避難所優先で、私たちにはなかなか届かない」と不安を口にする。

仙台市に隣接し、比較的物資が届いている名取市の小学校に避難する会社員男性(37)は「親戚は『うちに来ないか』と言ってくれるが、街中で全く食料が手に入らない状況では迷惑をかけてしまう」と話す。自宅で暮らしている被災者に対し「避難所の方が食料は安定していて、申し訳ない気持ちもある」と心中を明かした。

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