東京工業品取引所の金先物が11日、27年9カ月ぶりの高値を更新した。取引の中心である期先物(2011年10月物)の清算値は前日比46円高の1グラム3732円と、今年5月に付けた高値を上回った。海外相場の上昇に加え、為替の円高・ドル安が一服したことが上昇要因となった。
期先物は、その後の時間外取引で一時3755円まで上昇した。ドル建の国際価格は、米国の金融緩和策などを背景に1トロイオンス1400ドルを超す水準で堅調に推移している。国内価格は夏以降の円高で、5月に付けた高値を超えられずにいた。
大手地金商の小売価格は11日、前日比39円高の1グラム3917円と、5月に付けた今年の高値(3928円)に迫った。
今後の金価格は「過剰流動性と新興国のインフレ懸念を背景に上値を追う展開が続く」(住友商事総合研究所の鈴木直美・市場分析チーム長)との見方も目立つ。