2019年2月17日(日)

おならは腸の健康のバロメーター
におうなら悪玉細菌増加

2010/5/30付
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おならは腸の健康状態を知る大事なバロメーターだ。おならが出る仕組みを正しく理解して、「いいおなら」と「悪いおなら」をかぎ分けるコツをつかんでおけば、日常生活を見直すきっかけになる。

「お父さんの後はくさくて入れない!」。朝、どこの家庭でもよくあるトイレの争奪戦。順番によっては不幸な目に遭うことに。くさいのは便とおならから出るにおい。「出物はくさい」というのが常識だが、おならはどうして出て、なぜくさいのか。

肉類中心に注意

1日に腸で作られるガスの量は400~1200ミリリットル。大半が便と一緒に排せつされる。ガスの成分は食事中に飲み込んだ空気や、腸内細菌が食物を分解した時に出す水素やメタンといった、においがないものがほとんどだ。こうしたガスは人間が生きている限り出てしまう仕方のない「いいおなら」にあたる。

一方、アンモニアや硫化水素、インドールなど少量だがくさいガスもある。腸内にいる悪玉細菌が、肉類に含まれるたんぱく質や脂肪を分解する胆汁をエサにして生み出す。これがいわゆる「悪いおなら」。おならがくさいのは、高脂肪・高たんぱく質の食事が続いて腸内の悪玉細菌が増えている証拠といえる。

肉類中心の食事でおならのくさい人は、便秘にもなりやすい。世界中の人の腸内細菌を調べている理化学研究所の辨野義己・特別招聘研究員によると、肉類をよく食べる欧米人は3~4日に1度、少なくてくさい便をする人が多かったという。

日本人も肉類を食べる量が増え、便秘に悩む人も多い。便秘が直接大腸がんリスクを高めるわけではないとの疫学研究報告もあり一概にはいえないが、腸内で悪玉細菌が多くなると発がん物質も増えるとされ、便秘もおならも不健康な腸内の状態を映し出している点にはかわりない。

「次の人が入った時までトイレがくさいなら危険信号」と辨野さん。最近はダイエットの影響もあって若い女性がくさいにおいを残すこともあるという。便のチェックで腸内環境を読みとれるが「くさいものにはふたを」とすぐに流す人も少なくない。悪いおならをしている人は、腸年齢をチェックし腸内環境を悪化させる要因を見つけよう。

ヨーグルトや雑穀、果物のプルーンというように、善玉細菌を増やしたり働きをよくしたりする食材はいろいろある。ただ、腸内細菌は500~1000種類で、種類やバランスに個人差も。善玉細菌を増やして働きを後押しする食材は何か、自分なりに探して積極的に取るようにすると、相対的に悪玉細菌を押さえ込むことができる。

人前で不意に出ると困るおならだが、出ないのはもっと悩ましい。ガスがたまった感じがする腹部の張り(膨満感)も、日々の生活習慣の影響を受ける。

朝食は抜かずに

食事の中身によって腸内ガスが増えることもあるが、空気をたくさん飲み込んでいるとも考えられる。早食いや炭酸ガス入りの飲料の飲み過ぎなどが原因になる。

ガスは増えなくても、腸の動きが悪いとガスや便が滞って膨満感を招きやすい。朝食を食べないと動きを鈍くする。空腹時に何かを食べて胃に届くと「胃結腸反射」で腸も動き出す。朝食を抜くと腸が動かず、食後にちょうどトイレに行きたくなるという自然な流れを遮ってしまう。

東急病院(東京・大田)の伊藤克人心療内科医長は「ストレスの影響も大きい」という。早食いを招いて飲み込む空気が多くなりガスの量が増える。また、自律神経のバランスが崩れると、交感神経と副交感神経の切り替えのタイミングがおかしくなり、腸の動きも乱れる。緊張するとおなかが痛くなるように、おなかと心の結びつきは深い。

張りの原因を取り除くほかに、腸マッサージも張り解消に役立つ。おへその下あたりから、「の」の字を書くように手で腸をやさしく押していく。効果には個人差があるが、試してみてもよさそうだ。(鴻知佳子)

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