2019年5月26日(日)

がんばって「朝活」 有益な人脈・情報の宝庫(U-29)

2010/3/27付
保存
共有
印刷
その他

出勤前に朝食会に参加したり、ジムなどで体を鍛えたりして自分を磨く「朝活」がブームだ。盛り上げているのはU-29(29歳以下)世代。"夜活"に比べて安上がりなうえ短時間で有益な人脈や情報が得られる。寝覚めがよくなったわけではない。眠気を克服して現代版「早起きは三文の徳」を実践する裏には、それだけ強い危機感が見て取れる。

8つの朝食会を掛け持ち

「この本の著者は元ボストンコンサルティング日本代表で……」。休日の午前9時半、都内のカフェで同世代の男女5人を相手に、手にした経済書をよどみなく解説する清水敬輔さん(26)。読書朝食会「リーディング・ラボ(リーラボ)」のひとこまだ。

リーラボではそれぞれが読んできた本の内容や感想を紹介し意見をぶつけ合う。平日の午前7時台や休日の午前中、全国各地で開かれ、参加者は約2000人に上るという。清水さんは月2~3回は参加する。

清水さんが初めて朝活を体験したのは4年前、入社3カ月目だった。新規事業の営業部門に配属されたが「働いて寝るだけの生活」に閉塞(へいそく)感を覚え、たまたまメルマガで見つけた朝食会に出てみた。

第一線で活躍する優秀な人と出会い、仕事への姿勢を学んだり現実感あふれる体験談を聞いたりするのは刺激になった。「会社の上司より、社外の人の話の方が有益で素直に聞けた。成長する実感が得られた」

人脈が広がり、今では8つの朝食会を掛け持ちする。人が寝ている間に成長するという充実感が早起きのモチベーションになる。

「朝という"ふるい"にかけて、意欲の高い人だけが参加する仕組みにした」。リーラボを主催する加藤健さん(26)は説明する。読書家の加藤さんは1日1冊、読了する。リーラボを始めたのは「もっと効率よく、たくさんの本の内容を知りたかったから」だ。

「朝活」をステータスととらえる参加者

朝の交流会などに参加する人たちには、朝、活動できることをステータスととらえ、「選ばれた仲間」と感じるようなメンタリティーがうかがえる。さらに社外の人脈や情報への欲求が伝わってくる。背景には淡々と仕事をこなしているだけでは将来の保障がない、という不安がありそうだ。

広告会社勤務の高柳慶太郎さん(27)は東京・丸の内の市民講座「丸の内朝大学」で農業などを学ぶ。数年後には実家の農業を継ぐ予定だが、「朝大学に通うほど農業に関心を持つ消費者のことを知りたい」と受講を決めた。

高柳さんが"社外活動"に取り組み始めたのは入社2年目のころ。大学時代の仲間と休日に集まり、講師に頼んだ注目企業のトップの話を聞く。その活動は今も続く。人脈や知識を得る意欲は休日の活動にとどまらず、朝活にまで及んだ。

「新人のころは先輩と飲んでも、会社の内情や仕事の仕方など勉強になることが多かったが、慣れれば目新しさもない。同じモチベーションを持った人と交流した方がいい刺激がもらえる」と高柳さんは話す。

「交流」より研さんを目的とした朝活も目立つ。IT企業に勤める山辺祥子さん(27)は入社5年目で仕事に余裕が出てきたため週1回、午前8時から、コンピューターのプログラム言語の講習を受ける。「スキルを高めもっと仕事を与えられたい」と前向きだ。

「残業が多く、夜だと受講料がムダになる」と、朝7時から東京・銀座の英会話教室に通うのは平井友梨さん(26)。夜と違い、疲れていないのでレッスン内容が頭に入りやすいのがいいという。睡眠の専門家で医師の神山潤さんは「ヒトは昼行性の動物。早起き早寝のリズムは心身にかける負担が少なく、頭も体も効率よく動く」と解説する。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報