中国、閣僚級の交流停止 尖閣沖衝突の船長拘置延長で
外務省報道局長が談話
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【北京=佐藤賢】中国外務省は19日夜、中国人船長の拘置が延長されたことに抗議する馬朝旭報道局長の談話を発表した。同時に、船長の即時釈放を改めて要求。追加的な対抗措置として日中2国間で「閣僚級以上の交流を暫定的に停止する」とも表明し、日本との航空路線の増便を巡る航空交渉も中止するとした。
中国は2005年10月、小泉純一郎首相が5度目の靖国神社参拝をしたことに反発し、11月以降06年10月まで、すべての首脳会談を拒否した経緯がある。ただ、今回は日本の動きの直後に包括的に対抗策を表明。迅速な動きは異例といえる。
馬局長の談話は拘置延長が「中日関係に深刻な影響を与える」との見解も示して日本をけん制。中国人の日本への観光の規模にも既に「深刻な影響」が出たと指摘した。船長が釈放されない場合への対応として「日本が独断専行すれば、中国は強烈な対抗措置を取るだろう」とした。
中国政府は日本の当局が中国人船長の身柄を拘束したことへの対抗措置として、11日には今月中旬に予定していた東シナ海のガス田開発を巡る条約締結交渉の延期を決めたと発表。全国人民代表大会の李建国・副委員長(国会副議長に相当)の訪日も延期した。