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ギリシャの資金繰り懸念、ひとまず後退

安定調達には不安も

【ロンドン=石井一乗】財政難に直面しているギリシャは13日、短期国債の発行を無事に乗り切り、同国が資金繰りに行き詰まる懸念はひとまず薄らいだ。欧州連合(EU)のユーロ圏諸国に国際通貨基金(IMF)も関与する支援の枠組みがまとまり、信用の回復に一定の効果を上げた。ただ、市場ではギリシャの長期的な財政運営を疑う声が根強く、安定した資金調達を続けられるかどうか不安もくすぶる。

13日の短期国債の発行で予定を大幅に上回った応札結果を受け、市場関係者の間では「短期的な信頼感を取り戻しつつある」(ロイズTSBエコノミストのケネス・ブルー氏)との評価が出ている。ユーロ圏諸国は11日、ギリシャが市場で資金調達できなくなったときの支援策として、初年度に最大300億ユーロ(約3兆8000億円)を融資することで合意した。これを受け債券市場では警戒感が後退し、ギリシャ国債の利回りが低下(価格は上昇)していた。

一方でギリシャは今回の国債発行でも、依然として高い利回りの設定を余儀なくされるなど問題の根はなお残る。国内総生産(GDP)を上回る公的債務を抱える点など「長期的な問題が解決したわけではない」(コメルツ銀行チーフエコノミストのクレーマー氏)との慎重論も目立つ。

ギリシャは5月に100億ユーロ程度の国債償還を迎える。当面は市場での資金調達を続ける見通しだ。米国でも起債する見込みで、引き続き投資家の需要を集められるかが焦点となる。ギリシャ政府の関係者が近く訪米し、発行計画をめぐり金融機関などと意見交換するとの情報もある。

一方、ギリシャ国債10年物利回りのドイツ国債に対する上乗せ幅は足元で大きく縮小したとはいえ、なお3%以上を維持している。ロイズTSBのブルー氏は「5月に向けて、ギリシャがユーロ圏諸国の支援策を発動する可能性はまだある」と予測する。

ギリシャ政府が公務員の給与カットなどを柱とする財政再建の取り組みを着実に進められるかどうかによっても、ユーロを含む市場の信認が揺れそうだ。

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