台風15号、「非常に強い」勢力に 速度上げ列島縦断も
台風15号は20日夜、「非常に強い」勢力に発達。日本列島を縦断する最悪の進路をたどる恐れが出てきた。21日午後にかけて時速60キロ程度まで速度を増す見込みで、関東や東北では急に風雨が強まる可能性があり、気象庁は早めの警戒を呼びかけている。
台風15号は、21日午前0時現在、高知県の室戸岬の南約270キロを、時速25キロで北東へ進んだ。中心気圧は940ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は50メートルで最大瞬間風速は70メートルと、本州に近づくにつれ勢力を強めている。中心から半径150キロ以内は風速25メートル以上の暴風域。
中心気圧940ヘクトパスカルのまま上陸すれば、1991年9月に長崎県佐世保市に上陸した台風19号以来、約20年ぶり。上陸時の中心気圧が低い台風として、歴代5位タイになる可能性がある。
気象庁の神田豊主任予報官は20日に記者会見し、台風15号の速度や進路が、死者110人を出した1979年10月の台風20号に類似していると指摘。「上陸後に急に速度を上げる見込みで、台風から離れた地域も早めの対策を心がけてほしい」と話した。
また、東海や九州など、既に大雨が降っている場所でも河川の水位上昇が続く恐れがあり、雨が降りやんだ後も引き続き洪水などに警戒するよう呼びかけた。
台風や前線の影響で、20日午後9時までの24時間雨量が300ミリを超えた所も出るなど、西日本から東日本の広い範囲で大雨が降った。台風の北上に伴い21日も大雨が続く見込みで、局地的には1時間に80ミリを超える猛烈な雨が降る場所もある。関東甲信では21日夕方に風雨が強まる見通しという。
22日午前0時までの24時間予想雨量は、いずれも多い所で近畿、東海、関東甲信400ミリ、四国300ミリ、中国、東北250ミリ、北陸200ミリとなっている。