菅首相が退陣表明「約束通り降りる」
菅直人首相(民主党代表)は26日午後の同党役員会で退陣を表明した。退陣の条件としていた赤字国債発行法と再生エネルギー特別措置法の成立を受けたもので、同日夜、首相官邸で記者会見する。
党役員会で首相は「6月2日に約束した通り、代表の座を降りる。新代表が決まれば首相の座を辞す」と述べた。その後、党両院議員総会でも説明する。
首相は昨年6月の首相就任以来、小沢一郎元代表と距離を置く「脱小沢」路線を続けたが、東日本大震災への対応などで批判を浴びて政権が失速。既に成立した今年度第2次補正予算に加え、赤字国債法と再生エネ法の成立を退陣の条件に掲げていた。
再生エネ法は26日午前の参院本会議で全会一致で可決、成立した。赤字国債法も参院財政金融委員会で与党などの賛成多数で可決。その後、緊急上程された本会議で可決、成立した。
赤字国債法は今年度予算執行に不可欠だが、参院多数の野党が反対して3月末までに成立させることができなかった。自公両党が9日、民主党マニフェスト(政権公約)の主要政策見直しなどで民主党と合意し、賛成に回った。当初は24日に成立予定だったが、自民党が野党提出の原発事故に関する調査委員会を国会に設置する法案への対応が不十分として採決に難色を示し、26日にずれ込んだ。
再生エネ法は太陽光エネルギーなどの全量買い取りのための措置を盛り込んだもの。民自公3党は電力を多く消費する企業の負担軽減などを巡る修正で合意していた。
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