2019年1月22日(火)

金融庁、AIJ投資顧問に業務停止命令1カ月
巨額の年金資産消失

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2012/2/24 10:30
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今後、金融庁と監視委はAIJの年金資産が毀損した経緯や資金の流れなどについて実態解明を急ぐ。市場環境の急変などで運用に失敗したのか、最初から年金資産を運用せずに資金を流用したのかなどが焦点になる。金融商品取引法違反で刑事告発することも視野に入れている。米国では2008年、ナスダック・ストック・マーケット(現ナスダックOMXグループ)のバーナード・マドフ元会長が運営するヘッジファンドの詐欺事件が発覚した。

AIJは02年ごろに本格運用を始めた。株価指数のオプションの売りなどで、相場変動に左右されずに安定して高い収益を上げる「絶対収益」の獲得を目指す運用戦略を掲げ、受託資産を急速に増やしてきた。同社の開示資料などによると、11年9月末時点で124の企業年金から1984億円の資産を受託していた。企業年金の運用会社としては大手に次ぐ規模。

顧客の大半はトラック業、建設業、電気工事業など地域の中小企業がつくる総合型の厚生年金基金。こうした基金の中には資産の多くを投じている例もあるという。アドバンテストや安川電機など複数の大手の企業年金も顧客になっている。顧客の企業年金の間では「毎年確実にプラスの収益を上げる数少ない運用会社」という評価が定着していた。

金融庁の業務停止命令を受け、AIJに運用を委託した企業年金は当局の実態解明が済むまで年金資産を引き出すことができなくなる。年金資産も大幅な含み損を抱え込んだ可能性が高い。特に、AIJに年金資産の多くを投じていた総合型年金の場合、加入者に約束している予定利率を大幅に下回りかねず、母体企業の追加負担などが避けられない見通しだ。

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