2019年6月19日(水)

福島第1、ヘリから注水見合わせ 米無人機投入を検討

2011/3/17付
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東京電力福島第1原子力発電所の危機を回避するための冷却作業は難航している。16日に白煙を上げた3号機では自衛隊ヘリコプターで上空から使用済み燃料を冷やす水の投下を検討したが、放射線量の高さなどを理由に16日は見合わせた。陸上からの作業を巡っては警視庁機動隊の放水車が既に現場に到着。準備が整い次第、4号機などへの放水を始める。いずれも放置すれば使用済みの燃料棒が過熱して溶け出し、外部に高濃度の放射性物質が放出される懸念がある。

建屋内部の状況などを把握したい日本政府から要請を受けた米軍は、最新鋭の無人偵察機「グローバルホーク」の投入を検討している。全長約14メートルの機体に高性能カメラや赤外線センサーを備え、放射線を気にすることなく、遠隔操作による撮影、調査が可能。各施設の温度を含めた詳細がわかれば、今後の対策づくりに役立つ。

北沢俊美防衛相は午後、首相官邸で開いた原子力災害対策本部の会合後、菅直人首相と会談。その後、記者団に「状況を調査している。明日も調整する」と述べ、自衛隊ヘリによる16日中の放水を断念したことを明らかにした。

東電は3号機で白煙が発生した原因を特定できていないが「使用済み燃料プールから出ている可能性がある」としている。同プールは使用済み燃料を水中で保管し冷やす施設で、屋上付近にある。東電はプールの冷却機能が止まって水が蒸発し、放射性物質が混ざった水蒸気が白煙として外部に出たとみている。3号機は爆発で原子炉建屋の天井がなく、上空から放水すればプール内の使用済み燃料を冷やせるとの期待がある。

16日早朝、使用済み燃料プール付近で火災が確認された4号機でも冷却用の水を入れる検討をしている。同機は定期点検で運転停止中だった。原子炉建屋の壁面などの一部に穴が開いている。

地震発生時、運転中だった1~3号機では原子炉内の問題も解決していない。注水は続いているが燃料棒は依然、一部露出し過熱しているとみられる。2号機は原子炉格納容器の圧力抑制室が壊れ、放射性物質が出ている可能性がある。

枝野幸男官房長官は午後の記者会見で第1原発で停止中の5号機と6号機の状況に関して「しっかりと温度管理し、リスクを生じない体制をつくっている」と述べた。

第1原発の正門付近では午前10時40分に1時間あたり10ミリシーベルトの高い放射線量を計測し、作業員を一時退避させた。ただ午前10時55分には2.9ミリシーベルト、午後4時すぎには1.5ミリシーベルトに下がった。

一方、福島市内にある県原子力センター福島支所で16日午前8時に採取した水道水から、普段は検出されない放射性物質で、燃料棒が破損して出ると考えられるセシウムとヨウ素が検出された。都内でも大気中でセシウムなどが観測されている。また関東地方などでは16日午前、放射線量の観測値が通常の10倍以上の場所があった。いずれもただちに健康に影響するレベルではないとしている。

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