チリ落盤「救出作業は順調」 保健相が表明
12人を地上に引き上げ
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【コピアポ(チリ北部)=檀上誠】チリ北部コピアポ郊外の鉱山落盤事故で、地下約700メートルに閉じ込められた33人の作業員の救出作業が始まり、13日午前10時半(日本時間同日午後10時半)までに計12人が救出用のカプセルで地上に引き上げられた。8月5日の事故発生から69日ぶりの生還。作業は順調に進み、救助された作業員は鉱山内の仮設診療所で健康面の簡単な検査を受けた後、順次、ヘリコプターで市街地の病院に搬送されている。
救出作業は「フェニックス(不死鳥)」と名付けられたカプセルを使って、現地時間の12日夜に始まった。まず13日午前0時10分ごろ、現場監督のフロレンシオ・アバロスさん(31)が地上に引き上げられた。

救出活動は、おおむね1時間に1人を引き上げるペースで続いている。救出用カプセルは8回の昇降ごとに1回点検するという。13日朝に記者会見したマニャリク保健相は「作業は順調」と表明。地下に降りた救助隊が作業員の健康状態を検査した結果、「作業員は最初に想定したよりも健康だ。(カプセルを使って地上に)戻ることに問題がある作業員はいない」との見方を示した。
落盤事故は8月5日に発生。同月22日に33人全員が避難所にいて無事だったことが確認された。チリ政府は3本の救出用トンネルを同時並行で掘削。「プランB」と呼ばれるトンネルが今月9日、作業員が待つ地点まで貫通した。