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日経平均一時8600円割れ、先行きをどう読む プロの見方

(更新)

18日の東京株式市場で日経平均株価は一時8600円を約4カ月ぶりに割り込んだ。前日に格付け会社がギリシャとスペイン金融機関の格付けを引き下げ、欧州債務問題が再び広がるとの懸念が浮上。米国株が急落したほか、円相場が対ドル、対ユーロで急上昇した。日本株の先行きはどうなるのか。当面の注目点や下値のめどについて市場関係者に聞いた。

「ギリシャ再選挙まで8400円を意識」

三井住友信託銀行マーケット・ストラテジスト 瀬良礼子氏

世界的に「リスク・オフ」の傾向が再び強まっている。投資家心理を冷やしたのは、ギリシャに引き続き、スペインの銀行からの預金流出観測が伝わり、周辺国への波及を嫌気したためだ。預金引き揚げが起きれば銀行システムが機能しない事態が想定されるうえ、スペインからイタリアへの波及も想定しうる事態となる。こうした懸念を沈静化するためには、まずは来週に非公式の欧州連合(EU)首脳会合でギリシャの財政緊縮ペースを緩和し、ユーロ離脱を避ける現実路線がまとめられるかが焦点だ。

日本株の先行きをみるうえでは円高進行も懸念材料になる。日銀が22、23日の金融政策決定会合で、今後の追加緩和に対し踏み込んだ発言をするかも注目だろう。

6月のギリシャ再選挙まではリスク回避の傾向が続き、日経平均の下値は8400円程度が意識されるだろう。ユーロ離脱や周辺国への波及など、市場の懸念を押さえ込むには財政再建を主導できる政府がきちんと成立することが重要だ。仮に再び混乱を来すようなことがあれば、日経平均は昨年11月に付けた8100円台の安値水準まで下落する可能性がある。

「安値更新銘柄数に注目」

岡三証券日本株式戦略グループ長 石黒英之氏

スペインの預金流出が伝わるなど、ギリシャ問題の波及をうかがわせる一連の報道が出てきたことで、事態が金融不安に発展するのではないか、との懸念が一段と高まっている。世界的にリスク回避の動きが一段と加速した。海外投資家が保有資産の圧縮を進めているとみられ、特に大型株の下げが顕著だ。

ひとまずは来週の欧州連合(EU)首脳会合の議論の行方を見守ることになる。日経平均の下値はさらに拡大する可能性は否めないものの、先行きは中小型株の売り一巡感にも目を配っておきたい。

注目しているのは新安値銘柄数だ。直近では15日に東証1部で新安値更新銘柄は555を超えた。再びこの水準を上回ってくると、売り一巡感が抜けきれないが、徐々に減ってくるようであれば売りのピークは脱した可能性がある。

(聞き手は佐藤ちあき)

「既に売られすぎ、8500円大きく下回らず」

損保ジャパン日本興亜アセットマネジメント シニアインベストメント・マネージャー 中尾剛也氏

日経平均株価はPBR(株価純資産倍率)などの投資指標でみると既に売られすぎの水準にあり、株価の下落がとまらない理由は需給の悪化に尽きる。ギリシャ政局の混迷を受けて海外投資家が株などのリスク資産を減らしており、その流れの中で日本株も売られている。ただ、欧州債務問題が深刻化した昨年秋に長くもみ合った水準である8500円を大きく下回ることはないとみている。

欧州情勢を巡っては、緊縮路線の修正を図るフランスがドイツとの妥協点を模索したり、ギリシャがユーロ離脱を回避するような態度を明確にしたりすれば、徐々に投資家心理が改善するだろう。日本の企業業績や投資指標に目が向かうようになれば、3カ月後に1万円を回復してもおかしくない。

(聞き手は竹内冬美)

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