米雇用が徐々に改善、日本株への影響は プロの見方

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2012/3/10付
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「日本株は短期的に調整も業績改善で上昇へ」

コモンズ投信社長 伊井哲朗氏

米雇用統計はおおむね予想通りの結果でサプライズはないが、雇用統計で景気は悪くないことが改めて確認できた。コマツの建設機械の稼働率は米国で過去最高の水準だという。米国の株価はダウ平均が約3年ぶり、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数が約10年ぶりの高値水準にある。株高によって個人投資家の含み益が膨らんでいることから、個人消費も堅調に推移しそうだ。

ただ、週明けの日本株は、株高基調を維持しながらも少し調整する可能性がある。9日に日経平均株価は一時1万円を上回っており、多少達成感があるためだ。来週の日経平均は9600~1万100円のレンジで推移するだろう。

それでも中長期的には一段高が期待できそうだ。雇用統計を受け、外国為替市場で円相場は1ドル=82円台前半まで下落した。日本企業の間では2012年3月期の想定為替レートを1ドル=80円に設定しているところが多いが、それよりも円安に振れてきたことで、13年3月期の業績への自信も深まるとみている。そうなれば「金融相場」ともいえる現在の状況から「業績相場」へと物色の流れが変わることになるだろう。

2月の日銀の政策転換以降、先進国の中央銀行の金融政策が緩和でそろったことも、株高が続くと考える要因だ。バランスシートを拡大して潤沢な流動性を供給し、中長期的な観点から望ましい物価安定の数字を掲げた。「市場との対話」や「金融政策の透明性」を重視していると評価でき、金融緩和の効果を高めることにつながっている。米国経済の緩やかな景気回復、先進国の金融緩和を受けた新興国への資金流入、円安メリットを受ける輸出関連株とアジア関連銘柄が、物色の中心となるだろう。

リスク要因は欧州債務問題と日米欧の中銀の金融緩和の副作用だ。株高・債券高で投資対象がなくなり、新興国や商品など規模の小さい市場に資金が過剰に流入することで先進国の購買力の低下などにつながりかねない。先進国中銀が緩和から引き締め方向に転じる際に、リスクオフが加速する可能性も大きくなっている。短期的に見れば、日経平均にはテクニカル面で過熱感もある。

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