米雇用が徐々に改善、日本株への影響は プロの見方

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2012/3/10付
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米労働省が9日発表した2月の米雇用統計は、景気動向を映すとされる非農業部門の雇用者数(季節調整済み)が前月比22万7000人増と市場予想の平均(約21万人増)を上回った。同時に1月の雇用者数も上方修正。米雇用は足元で徐々に改善してきている。これを受けて外国為替市場では円が対ドルで一段安となり、約10カ月半ぶりの安値を付けた。今回の結果を受けて、週明け以降の日本の株式相場はどう動きそうか。市場関係者に聞いた。

「米景気回復と緩和期待で日経平均は1万円台定着へ」

明治安田アセットマネジメント執行役員 福島毅氏

米雇用統計は「ヘルシーな内容」というのが第一印象だ。米景気の回復が続くとともに米連邦準備理事会(FRB)の追加金融緩和への期待感も消さない。ぬるすぎず、ちょうど良い湯加減の「ゴルディロックス」だ。

懸念していたのは、雇用情勢が市場予想を大きく上回り、米量的緩和第3弾(QE3)の蓋然性がなくなる事態だ。米景気の回復度合いが強すぎれば、緩和期待の後退を通じ、かえって相場にマイナスの影響を与えかねなかった。そういう意味で、今回の内容は市場に最適な結果だ。5月までは雇用・景気情勢の改善を確認する局面が続き、6月ごろに米追加緩和期待が後退するとみている。

外国為替市場では円相場が1ドル=82円台前半まで急落した。FRBは1月、少なくとも2014年終盤までゼロ金利政策を続ける意向を表明したが、為替市場の反応は14年終盤以前に利上げすることを意味し、ドルが強くなる可能性が高まる。日本株には追い風だ。円安と、しっかりした米景気によって、日経平均は来週、1万円台を固め、1万円台が定着するとみている。来週中に1万200円くらいまで上値を試すのではないか。急ピッチの上昇が続き、いったん利益確定売りの場面を迎えるかもしれないが、押し目がないまま上昇基調を続けるだろう。

今のところは外国人の日本株買いに陰りはない。日経平均は5月にかけて1万500円程度まで上昇するとみている。世界的に景気の減速が下げ止まり、先進国の量的緩和、新興国の利下げが株高を演出する。株を持たざるリスクが意識される局面だ。ただし、リスク要因は社会保障と税の一体改革が進まない場合だ。財政再建に対するコミットメントがゆらぐ場合、外国人の日本株買いが途絶える可能性がある。

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