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「コンプガチャ」問題でネット株どうなる プロの見方

SNS(交流サイト)を経由してゲームなどを提供するソーシャルゲーム各社の株価下落が続いている。高額課金が問題視されている「コンプリートガチャ(コンプガチャ)」を巡り、消費者庁が来週にも違法だとの見解を示す見通しになっているほか、足元の業績の伸びが鈍化していることを嫌気した売りも出ている。9日午前の東京株式市場では、グリーが一時前日比8%安、ディー・エヌ・エーも6%安となった。ネット株の先行きや個人投資家の投資動向への影響を小型株に詳しい市場関係者に聞いた。

「急落銘柄、不安定な値動き続く」

いちよしアセットマネジメント 執行役員 秋野充成氏

ソーシャルゲームの高額課金問題は1つ1つのサービスへの影響にとどまる問題ではない。今回の消費者庁の対応は、射幸性を高めて課金を容易にすることでARPU(ユーザーあたりの月間収入)を伸ばすという、これまでのソーシャルゲーム関連各社の高成長のパターンそのものを否定する動きだ。成長神話の崩壊で株価が急落するのは避けられず、当面は短期資金を中心に不安定な値動きが続きそうだ。

投資家のリスク許容度が低下しているなかでは、急落した銘柄への押し目買いなども入りにくい。8日のグリーの決算説明会でも、業績への影響や今後の成長戦略をどう再定義するかといったことについては、ほとんど説明がなかった。現時点での影響の度合いが分からないなかでは、会社側が開示した今期の業績予想などをもとにした株価指標も機能しない。

一方で、株式相場全体も鋭角的に下げ、そろそろ調整も最終局面にさしかかってきた。投資家は、下げのきつかった主力株が反転する手掛かりを探しており、この先の戻り相場は大型株主導の上昇が予想される。一部では、ソーシャルゲーム関連株を売り、ほかのネット関連株などを買う動きもあるが、大型株の反発が始まるまでの幕あいつなぎの域を出ない。ソーシャルゲーム関連以外の小型株が本格的に戻りを試すのは、日経平均株価が1万円前後に近づき、主力株の上値の重さが意識されるタイミングではないか。

「ゲーム株、見切り売りが続く」

岡三証券 シニアストラテジスト 大場敬史氏

グリーやディー・エヌ・エーなどのソーシャルゲーム関連企業の収益が昨年までのような高成長路線に回帰する可能性はほぼなくなったとみている。問題となっている「コンプガチャ」関連の売上高が全体の1~3割を占めるとの試算もある。それ以外のサービスだけでも事業を継続することは可能かもしれないが、課金を伸ばす仕組みそのものに対する規制が強まるなかで、再び成長戦略を描くことは容易ではない。成長を前提として買われてきた銘柄だけに、投資家の見切り売りはまだ続くとみられる。

影響はほかのネット株や小型株にも波及しそうだ。グリーなどの銘柄の下げを受けて、個人投資家に人気の高い新興株などには換金売りも出ている。東京・大阪・名古屋3市場ベースの信用評価損益率は27日時点で12%のマイナスと低下傾向にあり、足元ではさらに悪化しているとみられる。さらにゲーム株が一段安となれば、損失を抱えたまま持ちこたえていた投資家による投げ売りが膨らみ、投資余力はさらに低下する可能性がある。個人が身動きを取りにくくなるなか、ジャスダックなどの新興市場でも全般に買い手控えムードが広がりそうだ。(聞き手は富田美緒)

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