50兆円供給でもユーロ売り、欧州不安の深刻さ

2011/12/22付
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 22日の東京外国為替市場でユーロは対円で下落し、1ユーロ=101円台で推移している。欧州中央銀行(ECB)が前日に金融機関にユーロ資金を大量供給。欧州債務危機に伴う金融システム不安が和らいだはずだったが、これと裏腹に外為市場ではユーロ売りの圧力がかかった。

 ECBが21日に実施したのは、返済までの期間が最長となる3年のユーロ資金供給の入札。期間3年の新しいオペは、8日のECB理事会で新たに導入を決めた措置。従来は期間13カ月が最長だった。結果は523の金融機関が4890億ユーロ(約50兆円)の供給を要請。ECBは国債などを担保に全額を貸し出す。

 応札通りに大量の資金を供給するECBのオペ(公開市場操作)で欧州不安が緩和するとの期待は高かった。実際に入札結果の公表直後にはユーロは買われたが、すぐに売りが優勢になった。

 外為市場で欧州不安がおさまらない理由は2つ。1つは資金供給を要請した金融機関とその額の多さだ。ECBの資金供給に頼る民間金融機関が500を超え、資金繰り懸念の広がりを印象づけた。応札額が事前予想(最大4000億ユーロ)を上回ったことも、資金不足が深刻との不安を広げた。

 もう1つの不安は、調達した資金の使い道だ。市場では供給された資金が欧州の国債に向かうとの期待があったが、「大半が手元流動性確保が目的」との観測が広がり、国債購入にはつながらないという見方が強まった。欧州債券市場では、最近は落ち着いていたイタリアやスペインの国債利回りがオペ後に上昇(価格は下落)に転じた。

 低利で無制限で長期にわたって借りられるECBのオペは「金融機関には使わない手はないほど魅力的」(外国銀行)。だが、みずほコーポレート銀行の唐鎌大輔マーケット・エコノミストは「市場が落ち着くには、財政再建など根本的な対策の早期実行が重要」と話す。

(経済金融部 竹内康雄)

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