「国策に売り無し」と、ラップ口座急増の光と影
編集委員 田村正之

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2014/6/30付
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 「国と企業が一体になって自己資本利益率(ROE)向上に動き始めた。目先は短期的な過熱感から調整するかもしれないが、『国策に売り無し』でやがて日本株は上がっていくのではないか」。広木隆マネックス証券チーフストラテジストはそう希望を持つ。個人の「貯蓄から投資」の動きも今度こそ進展すると思いたい。そうした中で気になるのが、「ラップ口座」という商品の急拡大だ。

 「日本人や日本企業が本来有している潜在力を覚醒し、日本経済全体としての生産性を向上させ、『稼ぐ力(=収益力)』を強化していくことが不可欠である」

 先週まとまった「『日本再興戦略』改訂2014」には何度も「稼ぐ力」という言葉が出てくる。カギはやはりROEだ。法人税下げ、規制緩和、JPX日経インデックス400などはいずれも企業のROE向上を促す。「企業もROE向上の意識が強まっていて、官民が一致し始めている」(広木氏)

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 グラフAでわかるように、今、日本の株価はROEの向上があればぐっと上向く「スイートスポット」に差し掛かっている。

 株価は純資産(BPS)×期待(PBR)という関係で説明でき、BPSが一定でもPBRが上がれば上昇する。そしてPBRはROEが8%前後を超えた頃からぐっと上向いていく「くの字型」の関係にあることが知られている(8%前後が株主が期待している利益率とみられるため)。

 2015年3月期の予想ROEは8%強。これが企業自身の努力と法人税減税などで10%前後に上向けば、グラフから見れば現在1倍台前半のPBRが2倍前後に上向いてもおかしくない。その場合株価も大幅高になる。

 もちろん一足飛びにはいかず、今期も来期もROEの伸びはやや踊り場。業績の伸びの鈍化に加え、利益の蓄積などで自己資本が膨らんでいる。大和証券の守田誠シニストラテジストは「配当と自社株買いを合わせた総還元性向の今期予想は07年を大きく下回っていて、さらなる努力を望みたい」と話す。

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