2019年1月21日(月)

アベノミクス、解剖できなかった政治力学 若田部昌澄氏
マネー著者行間を語る

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2014/2/19付
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昨年4月末に自著『解剖アベノミクス 日本経済復活の論点』を緊急出版してから10カ月たちました。アベノミクスは3本の矢からなるといわれますが、最初の予想通り、力強く効果を発揮しているのは第1の矢である「大胆な量的金融緩和」だけです。

『解剖アベノミクス 日本経済復活の論点』(日本経済新聞出版社)

『解剖アベノミクス 日本経済復活の論点』(日本経済新聞出版社)

第2の矢といわれる「機動的な財政出動」は、やらないよりはいいという程度の内容にとどまっていますし、第3の矢の「民間投資を呼び込む成長戦略」に至っては、ほとんど見るべきものがない状況です。現時点ではアベノミクスは「大胆な金融緩和」頼みから抜け出せていません。リフレ政策がいまのところアベノミクスのすべてといってもいいでしょう。

1年前の本書ではまだ触れきれなかった点に、安倍政権が持つ政治力学があります。第2の矢である財政出動についていえば、国土強靭(きょうじん)化という新しい装いはしていますが、中身は要するに公共事業中心の支出拡大です。

これは「古い自民党」にとって心地よい政策の復活になってしまっています。本書では「日本では公共事業の効果に限界」と指摘しましたが、まさに「効果の薄い」政策に突っ込んでしまっているようにみえます。

第3の矢、成長戦略にも、安倍政権の経済産業省への依存度の高さという政治力学がちらつきます。担当大臣の甘利明経済財政相は商工族といわれる方ですし、首相官邸は経済産業省の人脈でかなり占められています。そのためか、成長戦略自体が産業育成的な政策になってしまっています。

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