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貯蓄のとなりに投資がいます

インデックス投資アドバイザー カン・チュンド

カネダマモルくんは今朝も最寄り駅まで走っています。今日は「あづまフレッシュベーカリー」でメロンパンが半額になる日なので、朝からウキウキしているのです。

ところで、カネダくんのご両親は岐阜に住んでいます。時々お母さんが「マモル! 貯金くらいしておきなさいよ」と電話を掛けてきます。29歳の若者なら、入ってくるお金より、出ていくお金を少なくすることが大事だということは分かります。それでは、なぜ大切なのでしょうか?

それは「貯蓄」をすることが、今使うお金と、将来使うお金の「線引き」になるからです。貯蓄をすることで初めて、カネダくんは「将来」を意識するようになります。

「カンさん、僕がしたいのは貯蓄ではなくて投資ですよ」

はい、わかっています。でも、貯蓄と投資はかけ離れた場所にいるわけではありません。実は貯蓄の延長上に投資は存在します。貯蓄になじむことがすなわち、投資の準備作業になるのです。カネダくんが10年後にどんな生活を送っているかを考えてみてください……。

「ん~。10年後は結婚しているかな。会社では主任くらいにはなっているかも。あっ、もしかしたら家を買っているか」

 そうですね。自分の10年後を考えることは、10年後の自分のお金をイメージすることにつながります。大切なことは、カネダくんのライフプラン上に投資という作業を乗せてあげること……(これが「ファイナンシャルプランニング」という考え方です)。

これからの時代は、誰もが自分のお金をうまく管理することが求められます。その理由は大きく分けて3つあります。

 1.国や会社が、これまでと同じように私たちの面倒を見てくれない

2.給与が一律で上昇することはない

3.退職後の人生時間がより長くなる

 「なんだか未来は暗そう……」と思ってしまいますが、そんなことはありません。上の3つのポイントは先進国に住む人たちが大なり小なり共通して抱えている問題なのです。ですから、フランスのデュラスさんも、アメリカのキャンベルさんも投資信託を用いて若い時から運用に励んでいるわけです――私たちが投資を行う目的は、20年、30年後に、今の生活レベルを維持するためです――。

ところで、投資信託のメリットは2つあります。ひとつは少額から購入・解約ができること。まとまったお金がなくても、毎月の貯蓄の中から無理なく投資を始めることができます。

もうひとつは、リスクの分散ができること。仮にカネダくんが200の会社を組み入れた「日本株式ファンド」を保有しているとしましょう。そのうちのひとつ、B社が倒産してしまいました。どうなりますか? 投資信託の値段は下がるかもしれませんが、それでも影響は200分の1程度で済みます。ところが、B社のみを個別株で保有していればどうでしょう。仮にB社が破たんした場合、カネダくんの株は紙切れになってしまいます。

また、「貯蓄はしているけど、投資には興味がありません……」という話をよく聞きます。それはある意味もっともな話です。なぜなら、日本人は貯蓄をしてきた歴史は長いですが、投資をしてきた経験はほとんどないからです。お金に限らず、よく知らないことには警戒心がもたげてしまいますね。

投資とは、その資産が本来持っているリターンを得るため、長期で資産を保有することです。それは長い年月をかけて草木を育てるようなもの……。 別に、特別な才能を用いて行う特別な行為ではないのです。

「カンさん、話の途中ですみません。僕の同期のサキモトくんは、FXこそが投資の王道と言っているんですがどうなのでしょう……」

なにやら雲行きが怪しくなってきましたが、この続きは次回に……。

カン・チュンド>晋陽FPオフィス代表。CFP ファイナンシャルプランナー。1968年生まれ。在日コリアン3世。資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。著書に「投資信託35の法則」(ソーテック社)「ETF投資入門」(日本経済新聞出版社)など多数。趣味は美術館巡り。

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