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これが投資信託のチェックポイント10

インデックス投資アドバイザー カン・チュンド

カネダマモルくんは今朝も7時49分の快速電車を目指して走っています。梅雨入り後のじめじめする朝は、少し走るだけで全身汗だらけになってしまいます。しかし、現実的には、これがカネダくんにとって唯一の運動なのです(カネダくんは文具卸会社の社員で、1日のほとんどを営業の車の中で過ごしているため……)。

カネダくん、健康のためにダイエットでもしてみたらどうですか?

「いいえ、夏の間は無理です」どうして?

「アイスキャンディーの摂取量が増えるからです……」

ところで、筆者の予想を超えて、カネダくんの投資信託に対する知識は増えています。カネダくん、ここまでよく付いてきてくれましたね。このあたりでこれまでの勉強のまとめとして、「投資信託のチェックポイント10」を挙げておきましょう。読者の皆さんも、投資信託選びの目安にしてくださいね。

1.運用を開始して5年以上経っているファンドを選ぶ

投資信託が過去、どのような運用を行ってきたかを知ることは重要です。過去の実績がない新発売のファンドは、これからどんな運用を行うのかという「裏づけ」がありません(インデックス・ファンドの場合は、設定から2年程度経過していれば問題ないでしょう)。

2.信託期間が無期限になっているファンドを選ぶ

ファンドの運用期間があらかじめ決められているのは、運用会社や販売会社の都合によるものです(私たちの運用可能期間を考えていない証拠です)。

3.純資産額が概ね30億円以上のファンドを選ぶ

純資産額が大きいほど、規模の利益が働いて運用の効率性が増します。100億円超あればなお安心でしょう(注:純資産額はファンドの大きさを示すものであり、ファンドの成績とは関係がありません)。

4.購入時手数料がゼロの「ノーロード型ファンド」を選ぶ

購入時手数料を支払って、それに見合う投資信託の説明が受けられる保証はありません(現状、ノーロード型ファンドの取り扱いが多いのはネット金融機関です)。

5.積み立て投資ができるファンドを選ぶ

投資の執行法については「積み立て投資」をお勧めします。定時定額の積み立て投資に対応していないファンドは避けたほうが無難でしょう。

6.運用管理費用が株式ファンドでは1.5%以下、債券ファンドでは1%以下のファンドを選ぶ

コストとは文字通り「マイナスのリターン」です。特に債券ファンドは株式ファンドに比べて期待リターンが低いため、無駄なコストをかけないことが肝要です(インデックス・ファンドの場合は、株式ファンド、債券ファンドともに0.8%以下のものを選びましょう)。

7.「分配金再投資コース」があるファンドを選ぶ

分配金について「分配コース」しか設けていないファンドは選択肢から外しましょう。また、毎月分配金を出すファンド、あるいは1 万口あたりの分配金が1,000 円を超えるファンドも避けるようにしましょう。

8.決算が年1回、ないし年2回程度のファンドを選ぶ

決算頻度が高いと、それだけ分配金を出す機会が増えてしまい、運用の効率性に支障をきたします。

9.アクティブ・ファンドの場合、5年以上の長期で、ベンチマークを上回る成績を上げているものを選ぶ

投資信託の実力を知るうえでもっとも重要な指標は、運用レポート内の「期間別騰落率の表」です。ファンドの成績は基準価格の推移ではなく、必ず騰落率でチェックするようにしましょう。また、インデックス・ファンドの場合、「期間別騰落率の表」でベンチマークと大きな乖離(かいり)が発生していないかどうかチェックしましょう。

10. 投資方針が一貫しているファンドを選ぶ

投資信託にとって「投資方針」はポリシーそのものです。実際の運用はポリシーを体現するために存在するといっていいでしょう。インデックス・ファンドの場合、ポリシーとは「特定の指数との連動を目指す」ということ。一方、アクティブ・ファンドでは、パンフレットでうたっている投資方針を遵守しているかチェックする必要があります。標榜するスタイルとは異なる銘柄を保有していないか、組み入れ銘柄が頻繁に入れ替わっていないか。また、運用チームの陣容や、ファンドマネージャーがたびたび交代していないかを確認しましょう。

「カンさん。投資信託選びでは、明確な『物差し』を持つことが重要なのですね」

その通りです、カネダくん!

カン・チュンド>晋陽FPオフィス(http://www.sinyo-fp.com/)代表。CFP ファイナンシャルプランナー。1968年生まれ。在日コリアン3世。資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。著書に「投資信託35の法則」(ソーテック社)「ETF投資入門」(日本経済新聞出版社)など多数。趣味は美術館巡り。

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