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投信を選ぶ時、口数・基準価格・純資産額に注目

インデックス投資アドバイザー カン・チュンド

カネダくん、カネダくんは小学生のとき、どの科目が得意でしたか? 「ぼくは算数がわりと得意でしたよ」。じゃあ、面積とか、体積ってお手のものですね。

「えっ、いきなり何ですか?」

ここに長方形のおもちゃ箱があります。このおもちゃ箱の体積って、どうやって求めますか? 「えっ、体積はたしか、たて×よこ×高さですね」。ピンポーン、正解です。直方体の体積は、たて×よこ×高さで求められます。この3つのうち、どれかひとつが欠けても「箱」の体積は分かりませんね。それと同じように、投資信託という「箱」を知るうえで大切な3つの「キーワード」、それが口数、基準価格、そして純資産額なのです。

なかなかお金をためられないカネダマモルくん。カネダくんと一緒に投資信託を学びましょう。

カネダくん、ひとつ具体例を挙げてみましょう……。投資信託とは「透明なフクロ」ですね。今、このフクロの中に、株式が200銘柄、時価にして99億円分入っています。それに現金も1億円入っています。さて、ここで問題です。この投資信託の価値はいくらですか?「えっ、100億円ですね。」はい、正解です。この100億円のことをファンドの「純資産額」と言います。つまり、純資産額とはシンプルに、ファンドのすべての資産の合計額だと思ってください(ファンドの「大きさ」そのものです。ここでは借り入れはないと想定します)。

投資信託の純資産額は小さいより大きいほうがいいですね。なぜなら、運用効率がよくなるからです。しかし、純資産額はファンドの大きさを表す物差しであって、ファンドの成績とは関係がありません。たとえば、「カネダさま。このAファンドは純資産額1兆円を集めており、たくさんの方が購入されていますよ」というセールストークがあっても、それはAファンドの成績がよいと言っているわけではありません(注意しましょう)。

次に、こんな例を挙げてみましょう。カネダくん、今、100億円の価値があるファンドを、100万口に分けて管理しています。

「ちょ、ちょっと待ってください。なんで100万口とかに分ける必要があるんですか?」

カネダくん、いい質問です。理由はシンプルで、たくさんの「口数」に分けると、少額から購入・解約がしやすくなるからです。たとえば、100億円の価値があるファンドを、100万口に分けて管理すると、1口あたり1万円で売ることが可能ですね(100億円÷100万口=1万円/1口)。もし、このファンドを1万円分買った人がいたら、その人は「ワタシはこの投資信託全体のひと口分を保有しているんだ」と認識します。

カネダくん、たとえば牛肉はふつう、どんな単位で量りますか?

「えっ、グラムですね」

はい。それと同じで、投資信託はいつも「口数」で単位を量るのです。私たちは投資信託をどれだけ持っているかを「口数」で管理します。

「えっ、でも、ちょっと待ってください。第7回目で、投資信託の『購入単位』って出てきましたよね。ファンドって1万円とか、2万円とか金額単位で買うのではないのですか」

はい、それはその通りです。実際の購入では「すみません、Aファンドを5万円分ください」といいます。その結果、たとえばAファンドを5万5238口買ったりするのです。

実はこれは、「すみません、すき焼き用の肉を3,000円分ください」と言って、結果として、牛肉を550グラム買ったりするのと同じです。難しく考えずに「投資信託を保有する際は、ファンドの「口数」を管理しておけばいいんだ」と覚えておきましょう。

さて、投資信託を100万口に分けて管理する場合、この100万口のことを「総口数」といいます。投資信託を買う人が増えると、「総口数」は増加します。逆に、投資信託を売る人が増えると、「総口数」は減少します。ファンドの大きさ「純資産額」があって、そして「総口数」が分かれば、ファンド1口あたりの「値段」を出すことができます(先ほどの計算では、100億円÷100万口=1万円/1口となりました)。

実際は、ファンド1口あたりの値段で投資信託を比較することはまずありません。投資信託の値段は何を基準にしているかというと、実は「ファンド1万口当たりの値段」なのです。ほとんどの投資信託で、この1万口あたりの値段のことを「基準価格」と呼んでいます。カネダくん、基準価格こそが、広く流通しているファンドの値段なのです。

基準価格は「ファンド1万口当たりの値段」であるため、その計算式は、純資産額 ÷ 総口数 ×1万口となります。算数得意だから大丈夫ですね、カネダくん。この基準価格こそが、投資信託の成績に関係しているのです。

さあ、今日のまとめです。純資産額はファンドの大きさであり、口数はファンドの管理単位であり、そして基準価格はファンドの値段のことです。ちなみに、ほとんどの投資信託は、1万口あたり1万円(つまり、基準価格1万円)でファンド運用をスタートさせます。

カン・チュンド>晋陽FPオフィス代表。CFP ファイナンシャルプランナー。1968年生まれ。在日コリアン3世。資産運用に特化したセミナー、コンサルティング業務を手がける。著書に「投資信託35の法則」(ソーテック社)「ETF投資入門」(日本経済新聞出版社)など多数。趣味は美術館巡り。

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