2019年8月25日(日)

退職金で新興国投信3000万円購入した悲劇
普通の人でも資産運用をしなければいけない理由(4)

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2012/7/28 7:00
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読者の方からこんな相談を受けたことがあります。「父が退職金で購入した新興国株の投信が半値近くになってしまった。今後、どうしたらいいでしょう」

よく聞いてみると、この方は東北地方にお住まいの30代前半の方で、2008年3月末に父親が60歳で定年退職し、退職金3000万円を受け取ったそうです。父親は堅実な性格で、これまで株式投資の経験はゼロ、投信すら買ったことがなかったそうです。退職金が振り込まれてからしばらくたった6月、自宅に地元の地方銀行の行員が訪ねてきて、新興国株で運用する投信を勧めたそうです。おそらくボーナス時期なので、販売目標などがあったのかもしれません。

父親は銀行員が勧める商品なのだから、間違いはないであろうと考え、言われるままに3000万円で、この投信を購入しました。初めての資産運用です。

それから3カ月、リーマン・ショックで世界的に株式相場が急落しました。この父親が購入した投信の時価(基準価格)は、買値から半分近くになってしまいました。こうなると、「今後どうしたらいいでしょう」と言われても、どうにもなりません。

このケースでは、やってはいけない間違いを2つ、してしまいました。

1つ目は、リスクの高い商品を単品で買ったことです。新興国株投信、それ自体は、決して悪いばかりの商品ではありません。

3000万円をすべて、ひとつの同じ新興国株投信につぎ込むのではなく、例えばこれは300万円程度にとどめ、半分の1500万円は貯金、国内債券に500万円、日本株の投資信託などに500万円など、分散して投資するべきでした。

リーマン・ショック後の世界的な株安局面では、日本株ももちろん、大きく下げましたが、国内の債券相場は逆に上昇しました。分散投資をしていれば、株の損を少なくし、債券では利益を得ることもできたのです。

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