2019年9月16日(月)

アベノミクスの最後のピースはPPP 林原行雄氏

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2014/4/12付
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6月には安倍晋三政権は新たな成長戦略を打ち出すといわれています。アベノミクスの第3の矢といわれる成長戦略が効果を発揮し、日本の構造改革に手が着かなければ、日本の再生もありえません。本書「PPPが日本を再生するーー成長戦略と官民連携」は、この成長戦略を中身の濃いものにするには、PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ、官民連携)が不可欠であるとの考えから編さんしたものです。

『PPPが日本を再生する』(福川伸次、根本祐二、林原行雄編著、時事通信社)

『PPPが日本を再生する』(福川伸次、根本祐二、林原行雄編著、時事通信社)

本書の2章までは安倍政権が位置付けたPPPのマクロ的な分析、いわば総論になります。2013年6月に安倍政権はPPPの有力手法である公共施設整備や運営に民間の資金と経営力を生かす手法、PFI(プライベート・ファイナンス・イニシアチブ)に関するアクションプランを発表しました。

同プランでは、PFI法改正で新たに認められた公共施設等運営権(通称、コンセッション)や公的な不動産の活用などで今後10年で10兆~12兆円の事業を実施すると掲げました。1999年にPFI法が施行されてから14年間の事業費が4兆円ですから、年間当たりの規模が3~4倍という思い切った数値目標であり、アクセルです。

政権として大きく舵(かじ)を切ったものです。財政制約が強まる中で、官民連携にアベノミクスの活路を見いださざるをえないと気付いている点で、安倍政権の方向感には期待できるものがあります。PPPはアベノミクス完成へ向けての最後のピースといってもいいのではないでしょうか。

3章以降は、いわば各論になります。医療、高齢者介護、保育など、いずれも国民生活の今後を左右する問題を取り上げています。

医療、介護、保育の分野で重要なことの一つに、株式会社への事業の依存を高めることが挙げられます。たとえば、7章では認可保育所に株式会社形態で初めて参入したポピンズの中村紀子代表取締役兼最高経営責任者(CEO)に執筆いただいていますが、そこでは、3年間で待機児童数で全国ワーストからゼロを達成した横浜市の例が取り上げられています。同市は3年で認可保育所を144カ所増やしましたが、そのうち79カ所は会社による設立でした。

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