東証大引け、大幅続伸 円安・米株高で今年3番目の上げ、6月期末を意識も
6月最終営業日となった28日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に続伸した。終値は前日比463円77銭(3.5%)高の1万3677円32銭だった。上げ幅は今年3番目の大きさで、5月31日(1万3774円)以来、1カ月ぶりの高い水準を付けた。前日の米株式相場の上昇や円相場の下落を好感した買いが先行した後も、断続的な買いに支えられて徐々に上げ幅を拡大した。海外機関投資家の買いや仕掛け的な株価指数先物買いが上げを主導したとの見方が多い。
一部海外投資家の決算期にあたる6月末を迎え、株価水準を押し上げておきたいとするドレッシング(お化粧)買いが終日入っていたとの指摘も聞かれる。日経平均は5月22日に年初来高値を付けた後、大幅に下落する場面もあっただけに、株価指数だけでなくこれまで大きく調整してきた不動産株などにも買いを入れる動きが目立った。連日での相場急伸で、強気に転じた投機マネーによる先物買いも活発化したという。
上海株式相場が小幅ながら朝安後上げに転じたことや、円相場が一時1ドル=99円台まで下落したことが材料視される場面もあった。日経平均が、これまで上値抵抗として意識されてきた25日移動平均を上回ったことも、買い安心感を誘ったという。ただ、前日(379円高)に続く需給主導の上昇について、市場では「やや上げが急ピッチ過ぎる。売買高の増加も限定的で、来週は反動で調整する場面もありそう」(証券ジャパンの大谷正之調査情報部長)と、先行きに慎重な見方も聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)も大幅に続伸した。
東証1部の売買代金は概算で2兆6078億円、売買高は31億9097万株と最近では活況だった。東証1部の値上がり銘柄数は1602、値下がり銘柄数は82、変わらずは28だった。
トヨタが売買を伴って上昇し、6000円台を回復する場面があった。三菱UFJ、みずほFG、三井住友FGがそろって上昇し、マツダ、野村、ソフトバンク、富士重、ソニーが買われた。菱地所、三井不が連日の大幅高。ファストリは1銘柄で日経平均を80円近く押し上げた。丸紅、伊藤忠が小幅に下落し、カーバイド、Jパワーの下げが目立った。
東証2部株価指数は大幅に続伸した。朝日インテク、高木、不二サッシ、M2Jが上昇した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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