東証大引け、大幅反落で4日以来の安値 SQ控え先物に大口売り
12日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に反落した。終値は前日比393円72銭(2.6%)安の1万4830円39銭と、心理的な節目である1万5000円を大幅に下回り4日以来の安値で終えた。下げ幅は2月4日(610円)以来の大きさ。前日の米株安や円相場の上昇を嫌気した売りが先物に先行し、心理的な節目の1万5000円を下回ったことから損失限定の先物売りが一段と膨らんだ。銅の国際価格急落を受けて、中国景気に対する警戒感が高まり投資家が運用リスクを避ける動きを強めた。国内でも景気の先行きに対する懸念が浮上し、投資家心理が悪化した。
売りが先行した。前日の米シカゴ市場の日経平均先物3月物(円建て)の清算値は大証の日中取引の清算値を185円下回る1万5025円だった。先物にこの水準を意識した売りが先行し、ファストリやソフトバンクなど日経平均への影響が大きい値がさ株に裁定取引の解消に絡んだ売りが出た。株価指数先物・オプション3月物の特別清算指数(SQ)算出を14日に控え、オプションのプット(売る権利)を売った投資家が先物に損失限定目的の大口の売り注文を膨らませたのも相場を押し下げた。
銅価格の急落は中国での銅を使った投機的な取引の巻き戻しとの見方が多い。資源国景気の先行き警戒感を誘い、投資家が運用リスクに慎重な姿勢を強めた。法人企業景気予測調査では4~6月期の大企業の業況判断指数がマイナス9.8と1~3月期のプラス12.7から大幅に落ち込む見通し。14年度の設備投資計画も5.1%減となった。内閣府が発表した2月の消費者態度指数は前月から低下し、11年9月以来の低水準になった。消費増税後の駆け込み需要の反動への懸念が改めて強まり、投資家心理を冷やした。
JPX日経インデックス400も大幅に反落し、前日比240.11ポイント安の1万0917.03と4日以来の安値で終えた。
東証株価指数(TOPIX)も4日以来の安値で終えた。業種別TOPIXは全33業種が下落した。「海運業」が3%あまり下げたほか、「非鉄金属」や「石油石炭製品」、「金属製品」などの下落が目立った。
東証1部の売買代金は概算で1兆9019億円(速報ベース)と、4日続けて2兆円を割り込んだ。4日連続の2兆円割れは、2013年11月6~11日(4日連続)以来の長さ。売買高は20億2048万株だった。値下がり銘柄は1667と、全体の9割あまりを占めるなどほぼ全面安となった。値上がりは79、変わらずは44だった。
ソフトバンクとファストリにKDDIとファナックを加えた4銘柄で日経平均を120円近く押し下げた。トヨタやホンダ、日産自など自動車株が総じて安く、三菱UFJや三井住友FG、野村、大和など金融株にも売りが優勢になった。銅価格の急落で三井物や三菱商など商社株も売られ、コマツなど中国関連株も軟調だった。法人向け運賃の一斉引き上げを要請したと伝わったヤマトHDは朝高後に一時下げた。半面、SUMCOが高く、古河電が上昇した。
東証2部株価指数は7営業日ぶりに反落。不二サッシ、オリチェン、ゼニス羽田が下げた。半面、日鋳造、Jトラスト、アルメディオが上げた。この日東証2部に上場したBS11は公募・売り出し価格を120円上回る1940円の初値を付け、1930円で初日の取引を終えた。〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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