2019年8月25日(日)

ダメ出しより「いいね!」 「ほめ達」検定受けてみた
C世代記者 駆ける 第2回

2012/1/13 7:00
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交流サイト(SNS)最大手の米フェイスブックの主要なコミュニケーション手段である「いいね!」。コンピューター(Computer)を傍らに育ち、知人とのつながり(Connected)を重視するC世代の意思疎通手法の1つだ。C世代のやる気を引き出したい企業の管理職らが受講するセミナーで、相手をほめる心構えを養う「ほめる達人(ほめ達)検定」を受けてみた。

セミナー参加者同士でほめ合う練習をする

セミナー参加者同士でほめ合う練習をする

記者が受講したのは昨年12月上旬、都内で開かれた3級検定セミナーだ。主催会社のシーズ(大阪市)の西村貴好社長(43)が「ほめるということは、人、モノ、出来事の価値を発見することです」と解説する。

同社が大学教授と共同で、近畿地方の大企業で働く約1千人の社員を対象に調査した内容を西村さんが紹介した。半分の社員を部下を積極的にほめる管理職のもとで、もう半分をあまりほめない管理職のもとで働かせたところ、ほめる管理職の下で働く社員の方が、企画の提案などが積極的になる傾向がみられたという。「35歳以下の若手社員は『ダメ出し』の影響が大きくみられました」。約50人の参加者が一斉にうなずく。

前半の講義に続いて、後半は3級の検定試験。受講者は全員合格で、前半の講義の内容を踏まえて、ほめることに対する理解を深めるペーパーテストだ。

「ほめる達人検定」3級の問題(例)
Q.自分が言われてうれしいほめ言葉をできるだけ多く書き出してください。
(目標30個。制限時間5分)
Q.以下の一般的な短所を長所に言い換えてください。
(制限時間3分)
・気が弱い
・空気が読めない
・ケチである
・決断力がない
・わがままだ
・でしゃばりだ
・気まぐれだ
・落ち着きがない
Q.あなたの「周りの人」の素晴らしい点を探して、具体的に書き出してください。まずお一人を選んでください。
(制限時間5分)
上司、部下、同僚、親、兄弟、妻、夫、子ども、その他

第1問は「自分が言われてうれしいほめ言葉」を書き出すこと。5分以内で30個を書き出すのが目標だ。頑張った、よくやった、よく勉強している、かわいい、気がきく、素直だ、よく働く、しっかりしている……すらすらと思い浮かばず、記者は20個を書き出すのが精いっぱい。アタマが硬くなり、ほめ言葉が乏しいことを痛感した。この日、一番多くほめ言葉を思い付いた参加者は61個だった。

第2問は「気が弱い」「空気を読めない」など、8つの短所を長所に言い換えること。制限時間は3分。記者は「気が弱い」を「繊細な心の持ち主」に、「空気を読めない」を「周りに臆せずに自分の意見を主張できる」と言い換えてみた。こうして言い換えてみると、一見マイナスな要素も案外違う見方ができる。

第3問は、5分間で「普段あまりほめない人の素晴らしい点を探すこと」。西村さんが「会社の上司などを思い浮かべてみてください」と声をかけるので、ある上司を思い浮かべてみた。

「厳しく叱責する」「作業が進んでからダメ出しする」……素晴らしくないイメージばかりが思い付く。それぞれを「部下の積極的な姿勢を引き出そうと、故意に厳しい言葉をぶつけている」「完成度の高い仕事を求めている」に置き換えてみたら、素晴らしいことのように思えなくもない。西村さんの「ほめることは、あら探しをやめて、プラスの面を探して光を当てることです」という説明が少し納得できた。

高度経済成長を知らず成功体験の乏しい若者と、年長世代の溝は簡単には埋まらない。変化の激しい時代には、企業や個人の過去の成功パターンも通用しない。自分が正しいと思うことに照らし合わせて『ダメだし』するのではなく、物事を多面的にとらえて『いいね!』評価しあう。ほめるということは、C世代の時代に柔軟に対応するための思考方法の1つなのかもしれない。

(森川直樹)

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