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佐世保女児殺害事件から10年 加害者近況、遺族に入らず

長崎県佐世保市で2004年、小学6年の御手洗怜美さん(当時12)が同級生の女児に殺害された事件から6月1日で10年。当時11歳の加害女児が入った児童福祉法上の施設に情報開示の制度はなく、遺族は弁護士らを介して間接的に状況を聞くだけだった。退所した女児からは直接の謝罪はなく、遺族は複雑な思いを抱えている。

「施設の中での生活とか、出た後の生活とかは自分には入ってこない」

怜美さんの兄(24)は今年2月、父の恭二さん(55)と一緒に、女児の付添人だった弁護士と面会し、児童自立支援施設を退所した女児の状況を聞いた。女児の事件の受け止めや具体的な生活状況は見えず、兄は「オープンにできる部分はしていくべきだ」と訴える。

遺族は主に児童相談所や弁護士を通して情報を得るしかなかった。

07年11月の改正少年法の施行で、少年院送致の年齢は14歳以上から「おおむね12歳以上」となり、法務省は11歳でも少年院送致が可能との見解を示す。さらに同省は、少年院での教育内容や出院日などを被害者側に通知する制度も始めた。

ただ家庭裁判所で女児の少年審判を担当した元裁判官、小松平内さん(64)は「彼女は自身の怒りなどの感情を理解して行動することができず、児童自立支援施設で育て直してもらうことが一番良かった。仮に(当時も)少年院送致の選択肢があったとしても選ばなかったと思う」と話す。

厚生労働省は05年、児童自立支援施設の在り方に関する研究会を設け、12年に「被害を受けた人や自分自身への影響について深く考えさせる」といった贖罪(しょくざい)の考えを運営指針に盛り込んだが、被害者側が情報を得る手段は整えられなかった。

兄は「謝罪があっての更生のはずだし、私も謝罪を受けて事件から立ち直れると思っている。どちらもスタート地点に立てていない」と対面での謝罪を望む。恭二さんは「(遺族側と加害者側との)間に入る第三者はいずれいなくなる。関係をどうつないでいくか、僕自身も相手も考えないといけない」と言葉を選ぶように語った。〔共同〕

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