2019年2月17日(日)

北九州市、新球技場着工へ 市街地活性化狙う

2013/6/26付
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北九州市の北橋健治市長は25日、サッカーJリーグ2部(J2)ギラヴァンツ北九州の本拠地となる新球技場の建設に着手すると表明した。市長は「新たなにぎわいを生み出す」と狙いを語った。だが市の財政が厳しい中、巨額の費用を投じて公共施設を新設することには反対意見もくすぶる。

新球技場はJR小倉駅の北側にある民間企業の所有地に建設する。ギラヴァンツのJリーグ1部(J1)昇格にも対応できるよう、収容人員はJ1基準を満たす1万5千人とする。建設費は約89億円。うち30億円はサッカーくじからの助成金を充て、残りは市債発行で賄う計画だ。供用開始は2017年春の予定。

新球技場を巡っては北橋市長が1期目の2010年11月に建設方針を発表。11年2月、再選を目指し市長選に臨んだ北橋氏は「議会や市民の声を聞いて計画を進める」と公約に盛り、当選した。

その後、有識者の検討会を開き、市民に意見を募る「パブリックコメント」も実施。北橋市長は「市民の一定の理解は得られた」として、着工にゴーサインを出した。

市は市内随一の市街地、小倉地区の活性化に向けた起爆剤として新球技場に期待する。小倉駅北側は南側の商店街に比べ人通りが少ない。新球技場ができれば、観戦客らを呼び込み、にぎわいを創出できるとみる。南側の商店街も市の人口減少や高齢化でかつての活気がなくなっており、新施設の集客効果を追い風に振興を図りたい考えだ。

新球技場の建設は決まったが、課題も残る。例えばギラヴァンツの観客動員力だ。今季の主催試合の平均観客動員数は3401人と昨季(3346人)を上回っているが、収容人員が1万人の現在の本拠地、本城陸上競技場でも空席が目立つ。

ギラヴァンツの横手敏夫社長も「建設はうれしいが、集客力強化が急務になる」と語り、建設までに平均5千人規模の集客を目指すとの考えを示した。観客増には戦力強化が不可欠だが、運営会社は債務超過状態で、簡単には進みそうにない。

球技場の収支の不足分を埋めるため市が毎年、約1億円を負担する必要があるとの試算もある。Jリーグ以外にも、ラグビーのトップリーグや学生サッカーなどでの利用を見込むが、芝生を養生する必要もあり、野球場に比べ稼働日数は限られる。市は年間稼働日数を70日と想定している。

市民の間では建設を歓迎する声が多い。一方で、旧5市が合併した北九州市は公共施設が過剰気味なこともあり「新たなハコモノ建設には慎重になるべきだ」「財政が厳しい中、市民への説明が不足している」といった意見も出ている。

市民の幅広い理解を得るため、市は今後も説明会の開催などを続ける。8月上旬の説明会には北橋市長も出席する。

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