2018年11月14日(水)

CO2地下貯留、北九州で地質調査 日本CCS調査、九州初

2010/3/26付
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九州電力や東京電力、出光興産など37社が出資する日本CCS調査(東京、石井正一社長)は25日、北九州市若松区で4月から二酸化炭素(CO2)の回収・貯留に向けた地質調査を始めると発表した。調査は国内3例目で九州では初めて。九州北部にはCO2の大規模排出源の製鉄所、火力発電所などが集中しており、九州北部沿岸に地下貯留が可能になれば地球温暖化対策で各企業に求められるCO2削減に役立ちそうだ。

CO2地下貯留は企業などが排出するCO2を専用施設で回収・分離し、圧入施設を通して地下深くの貯留層にとじ込める構想。CO2削減には原子力発電など化石燃料以外のエネルギーの利用増などの取り組みも必要だが、地下貯留は大気中への排出量を減らす有望技術と期待されている。

日本CCS調査は経済産業省から委託を受け、北九州市若松区の埋め立て地で掘削調査を始める。調査地点はリサイクル産業が集積する北九州エコタウン内で海に面している。調査は4月から12月までの予定。CO2を貯留できる地層があるとみられる地下1300メートルまで掘り、地質を調べる。事業費は数億円。

地球環境産業技術研究機構(RITE)の調査によると、北九州市の小倉沖から長崎県の五島灘にかけての海底地下にはCO2貯留に向く地層が広がり、全体で16億トンを貯留できる可能性があるという。日本全体でのCO2排出量は08年度で約12億8600万トン。

日本CCS調査は「北九州市での地質調査により、北部九州の沿岸全体のCO2貯留の可能性を調査する」という。同社は福島県いわき沖、北海道苫小牧沖でもCO2地下貯留に向けた地質調査を続けている。

経済産業省は各地の地質調査の結果を踏まえて、CO2地下貯留の実証実験を実施する予定。北九州市には製鉄所や火力発電所、化学工場が集中しているほか、石炭火力発電からCO2を回収するJパワーの実証プラントもあり、実証試験の有力候補地となっている。

ただ、CO2地下貯留の実現までには、長期間の貯留で環境への影響が出ないかどうか、回収・貯蔵のコストをいかに抑えるか、官民の負担割合をどうするかなど課題も残っている。

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