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九州・沖縄の6県で下落率縮小 公示地価

2012年の九州・沖縄の公示地価(1月1日時点)は住宅地、商業地とも全県・全主要市で前年を下回った。ただ、昨年3月に全線開業した九州新幹線の主要駅周辺では上昇に転じる地点もあり、福岡、長崎、鹿児島、沖縄など6県では商業地と住宅地の下落率が縮小した。地価の下げ止まり傾向がみられる地域と下落が続く地域の二極化が鮮明になっている。

商業地、駅周辺に新幹線効果

商業地の下落率は沖縄県が全国平均(3.1%)を下回り、福岡県が同水準。他の6県は全国平均を上回った。

福岡市内は11年(6地点)を上回る10地点で地価が上昇。このうち、8地点がJR博多駅(同市博多区)周辺で、全国の商業地の地価上昇率上位10地点にも4地点が入った。九州新幹線全通と新駅ビル「JR博多シティ」の開業で集客力が高まった同駅の周辺では、ビジネスホテルなどの開発が続き、地価上昇につながった。

新幹線効果は熊本駅(熊本市)や鹿児島中央駅(鹿児島市)の周辺でも見られた。鹿児島県は上昇が1地点、横ばいが3地点。いずれも同駅周辺で、「再開発ビル建設や飲食店開業など新幹線全通に伴う堅調な不動産需要が続いている」(地元不動産鑑定士)。

一方、新幹線効果が及びにくい地域は厳しい状況が続いた。宮崎県は全ての調査地点で下落し、「(家畜伝染病の)口蹄疫(こうていえき)や霧島連山・新燃岳(しんもえだけ)噴火などの被害による景気低迷と、高齢化や人口減による土地需要の減退が大きい」(同)という。佐賀県も下落率が拡大した。

大分県は大分駅(大分市)周辺で再開発が進んでいるが、駅に隣接する中心市街地への投資需要は減っており、下落傾向に歯止めが掛かっていない。昨年7月に老舗百貨店の博多大丸長崎店が閉鎖した長崎市も中心市街地の下落が目立った。

沖縄県は那覇市首里など一部で横ばいだったが、全体では21年連続のマイナス。郊外型店舗の出店で既存の商業地域の空洞化が続いているほか、景気低迷に伴い不動産の投資需要も小さかった。

住宅地、福岡の地下鉄空港線沿線で上昇

住宅地は福岡、熊本、沖縄各県の下落率が全国平均(2.3%)を下回った。

福岡県は上昇地点が11年のゼロから27地点に。特にマンション業者の土地取得競争が激しい福岡市営地下鉄空港線の沿線で上昇が目立った。日本不動産研究所九州支社の山崎健二次長は「(福岡都市圏では)しばらく住宅販売の好調が続く」とみている。

熊本県は熊本駅に近い熊本市春日4丁目が唯一上昇。同市内は1平方メートル当たりの価格が10万円を超す6地点全てで横ばいとなり、人気の高い場所が値ごろ感から下げ止まる傾向が出てきた。

佐賀県は下落率が拡大したが、九州新幹線の新鳥栖駅(鳥栖市)に近い地点の下落率は11年の3.6%から1.6%に縮小し、新幹線効果が表れた。

沖縄県は4年ぶりに上昇した地点があった。那覇新都心の銘苅と天久の2地点で、「利便性の高い地域で上昇が見られた」(不動産鑑定士の大嶺克成氏)という。

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