2019年4月20日(土)

「町がつぶれる」 口蹄疫、宮崎の畜産農家ら悲痛

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2010/5/18付
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宮崎県で発生した家畜伝染病の口蹄疫(こうていえき)の感染が食い止められず、家畜の殺処分を余儀なくされている畜産農家から悲痛な叫びが上がっている。感染例が集中する同県川南町では至る所に消毒剤がまかれ人通りもまばら。東国原英夫知事は18日に非常事態を宣言、国も首相をトップとする対策本部を17日設置したが、畜産農家らは「遅すぎる。窮状が分かっていない」と怒りが収まらない。

宮崎県川南町の養豚農場の消毒作業(15日)=同県提供

宮崎県川南町の養豚農場の消毒作業(15日)=同県提供

「牛1頭1頭に『ごめんね』と謝った」。川南町の畜産農家、森木清美さん(61)は感染疑いが出たために、手塩にかけて育てた牛75頭を処分した4月25日を思い出すと今もやりきれない。

白い防護服を着た獣医師ら数十人を前に大きな鳴き声を上げる牛も。「異様な感じを察したんでしょう」と森木さん。妻や娘も「本当に口蹄疫なの」と最後まで信じたくない思いだったという。

口蹄疫のウイルス拡散を防ぐため外出をなるだけ控えている。収入も途絶えた。仲間の農家といたわり合い、気持ちを紛らわす毎日だ。

「必死に感染予防策をとったのに……」。川南町の畜産農家、香川雅彦さん(52)は肩を落とす。16日朝、約8000頭を飼育する農場で鼻に水疱(すいほう)がある豚が2頭、見つかった。

従業員は農場に出る前にシャワーで体を洗浄し、農場周辺に1日2回、消毒液を1時間かけて散布。ウイルスを持ち込まないように外出も1カ月近く自粛してきたが防げなかった。

殺処分を待つ間も感染する豚は増え、痛々しい姿の豚を直視できない従業員も。肉体的、精神的にみんな疲労は限界だ。それでも「今は早く殺処分して周囲への感染拡大を防ぐことだけを考えたい」と気丈に語る。

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