2019年2月24日(日)

九電トップ交代発表、新体制「真部色」濃く

2012/1/13付
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九州電力は12日、社長と会長が4月1日付で交代する人事を発表した。新社長に就く瓜生道明副社長は技術系で真部利応社長の側近、次期会長の貫正義副社長は真部社長と同期入社の盟友とされ、「真部色の濃い人事」(九電幹部)。トップ2人の同時交代で経営刷新を印象付ける狙いだが、原子力発電所の再稼働や混乱した社内の統制など山積する課題を早期に克服できるかどうか、新体制の手腕は未知数だ。

「取締役の間で意見は割れなかった」。九電の松尾新吾会長は同日の福岡市内での記者会見で、瓜生氏の社長昇格について"満場一致"だったことを明らかにした。真部社長も「バイタリティーや創造力、チャレンジ精神がある」と後任人事を説明した。

原発再稼働を巡る「やらせメール」問題の発覚後、社内では次期社長として藤永憲一取締役常務執行役員を支持する声が多かった。藤永氏は人事・労務、燃料調達など中枢部門を歩み、電力業界の人脈も豊富で、松尾会長も一目置く存在だ。

だが、真部社長は自身と同じ技術系を熱望。昨年6月には次期社長の第一候補として瓜生氏を副社長に引き上げ、「この頃から真部氏の心は決まっていた」(電力業界関係者)。真部社長が瓜生氏に後継を打診したのは昨年12月28日だった。

瓜生氏は36年間の九電人生の7割が火力発電部門。「火力ムラ」の存在感は抜群だが、「全社的な人脈は薄い」(九電幹部)。支店長(現支社長)の経験もなく、原発立地自治体など社外との調整でてこずる事態も想定される。

一方、次期会長の貫氏は真部社長と同じ1968年入社。やらせメール問題で社内が混乱し、一部役員が辞表を提出するなど「反真部」の動きが表面化する中で、貫氏は同社長を支える姿勢を貫いた。

貫氏は福岡経済同友会代表幹事を務めるが、「対外活動は駆け出し」と述べ、会長職に求められる社外とのパイプ役としての力量不足を認める。貫氏は九電で社長を経ない初の会長となり、「社長経験なしに会長を務めるのは不安だ」と心境を語る。

原発再稼働の前提となる信頼回復に向け、新経営陣が背負う使命は重い。「原子力ムラ」に代表される閉鎖的な企業風土の改革や高コスト体質の改善など課題は山積している。「どんな状況でも前向きが強み」と瓜生氏は自負するが、新経営陣は過去に経験のない強烈な逆風下での船出となる。

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