園児の熱射病死、保育園側に賠償命令 地裁小倉支部
北九州市の私立中井保育園(廃園)で2007年、園外保育から戻ったワゴン車内に取り残され、熱射病で死亡した園児、浜崎暖人(はると)ちゃん(当時2)の両親が、保育園側と同市に計約5800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、福岡地裁小倉支部は12日、保育園の元責任者らと運営会社に計約5千万円の支払いを命じた。市への請求は棄却した。
判決理由で青木亮裁判長は「日常の保育業務で園児を点呼する習慣をつけるなどの安全管理策を取らなかった」と保育園側の不法行為を認定。
北九州市については「認可外施設に関する基準に照らし、指導監督内容が違法だったとはいえない」と指摘した。
父親の健太郎さん(33)は判決後「暖人は戻ってこないが、責任を認め償ってもらうのがしてあげられること。(園側は)控訴せず判決を受け入れてほしい」と話した。
判決によると、暖人ちゃんは07年7月、ほかの園児と一緒に近くの公園からワゴン車で保育園に戻った際、従業員の不注意で炎天下の車内に約4時間放置され、熱射病で死亡した。関わった元従業員2人は09年1月、業務上過失致死罪で執行猶予付き有罪判決を受け、その後、確定した。〔共同〕