キクラゲ投資、福岡の業者を損賠提訴
キクラゲの菌床への投資名目で金をだまし取られたとして、福岡や佐賀などの男女12人が福岡市の農産物生産・販売会社などを相手取り、計約3800万円の損害賠償を求める訴訟を10日、福岡地裁に起こした。原告側弁護団は「生産事業に実態はなく、詐欺的な集金手法だ」と主張。全国約600人から4億6千万円以上の出資金を集めていたとみられ、刑事告訴も検討している。
訴状によると、訴えられたのはきのこ類の生産・販売会社「GM」(福岡市)や販売仲介会社「ニーズ」(同)など10社と代表者ら9人。GMが販売窓口となり、ニーズなどと共謀して勧誘し、菌床の購入代金や手数料の名目で出資金をだまし取ったとしている。
原告は2011年6月~12年2月、代理店を通じ約100万~500万円で菌床を購入。3人には配当がなく、残りの原告も2月以降の配当がストップしているという。
勧誘資料などによると、出資額はキクラゲの種類に応じ1口約5万~315万円。「購入3カ月後から5年間、購入代金の3%程度が毎月配当される」と説明していた。関係者によると、GM側は「キクラゲを販売して得た収益による配当はほとんどなかった」と、自転車操業状態だったことを認めているという。