福岡県と産業医大、軽量の歩行補助システム開発

2012/1/24付
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福岡県工業技術センターと産業医科大学(北九州市)は、歩行障害者向けの歩行補助システムを共同開発した。膝関節を固定する装具に取り付け、歩行動作に連動して関節固定用のロックをモーターで操作する。従来製品に比べ軽量・低価格が特徴。生産・販売は電子機器開発・生産のアイクォーク(福岡県志免町、立石憲治社長)に委託し、今春にも発売する。

ポリオ(小児まひ)などを患って脚部がまひ状態の歩行障害者は、筋力不足から歩行中に膝が曲がって転倒する恐れがある。このため、膝関節を固定する装具を着用し、転倒を防止しているが、歩行中は膝が曲がらないため、健常者のようにスムーズには歩けない。着席時には膝を曲げられるように、固定用ロックを解除する必要がある。

新開発の歩行補助システムは圧力センサーやモーターなどで構成し、関節の固定装具に取り付ける。足裏に置くシート状の圧力センサーから歩行動作を感知し、足が地面を離れる時にモーターでロックを解除する仕組み。膝を曲げて脚を前方に踏み出す本来の歩行動作に近づけ、より歩きやすいようにした。

同センターと産業医科大は現在、新システムの特許を出願中。製品の生産・販売を受託するアイクォークは、構成部品の小型化や圧力センサーの耐久性向上などに取り組み、今春にも装具メーカーに販売を始める。重さは約800グラム、価格は25万円程度になる見通しだ。

既存の歩行補助システムには、振り子の原理を使ってロックを操作する機械式システムや「パワーアシストスーツ」と呼ぶ電動式システムがある。新システムは構成部品が少なく、機械式(約1キログラム)やパワーアシストスーツ(10キログラム強)より軽い。価格もパワーアシスト(200万円程度)より安いという。

産業医科大の蜂須賀研二教授によると、装具を利用している歩行障害者は全国で約5万人に上るという。同センターはこのうち半数が使う可能性があるとみているほか、アジアなどへの輸出も見込んでいる。

同センターはこれまで大学や企業と組み、自動車用部材や抗カビ剤などを開発した実績がある。

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