バスクリン、大分県竹田市の温泉療法助成に協力
入浴剤メーカー大手のバスクリン(旧ツムラライフサイエンス、東京・港)は、全国有数の炭酸泉・長湯温泉などがある大分県竹田市が4月からスタートする温泉療法助成制度に協力する。一部資金を拠出、利用者の拡大を支援する。竹田市からは温泉の効果効用のデータを提供してもらい、家庭用入浴剤などの商品開発に役立てる。
竹田市が始める温泉療法の助成制度は、3泊以上滞在する湯治客や市民を対象に、入浴料や宿泊料を一部助成するもの。
市は来年度予算に500万円程度を計上。バスクリンは100万円を提供する。事業化にあたっては、竹田市観光ツーリズム協会に「竹田市温泉療養保健組合(仮称)」を発足させて、運営主体とする。
竹田市は制度の利用者に指定した医療施設で検査を受けてもらい、神経痛や皮膚病など、「温泉の効能効果があるとされる症状について調査し、バスクリンにデータ提供する」(首藤勝次市長)。
バスクリンは、同市の長湯を研究した得た発泡タイプの入浴剤「きき湯」などを販売している。今回の協力で「予防医学に温泉が役立つ可能性を市と探りたい」としており、継続的な協力関係を構築する。
助成制度は、温泉療法の利用者拡大により、温泉地の活性化をめざす取り組み。
利用者には本人確認のための「温泉パスポート」を発行。施設を利用した後、パスポートにスタンプを押してもらい、領収書とともに保健組合に申請すれば、入浴一回あたり200円、宿泊1泊あたり500円を助成する。助成金は後日、指定された金融機関の口座に振り込まれる仕組み。
「保健組合」との名称を予定するが、公的な保険の枠組みに基づいたものではないという。