半導体・電機関連で積極投資 九州の拠点、小型端末など需要増

2010/8/6付
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九州に生産拠点を置く半導体・電機関連大手が設備投資に動いている。半導体製造装置大手の東京エレクトロンは2工場に計17億円を投じクリーンルームを増設。三菱電機はパワー半導体向けに投資を倍増する。半導体は車載用や米アップルの高機能情報端末など向けに需要が急増しているほか、電子機器も薄型テレビ向けの市場が拡大中。各社は積極投資で能力増強を急ぐ。

東京エレクトロンは、シリコンウエハーの洗浄装置の生産拠点である合志事業所(熊本県合志市)に約7億円を投じクリーンルームを増設、今年度中にも稼働させる。露光装置や計測器などを導入、半導体回路の微細化に対応した新型装置のテスト能力を増強する。洗浄装置の生産能力も現在から約2割引き上げる。

塗布現像装置などを生産する大津事業所(熊本県大津町)にも10億円を投じたクリーンルームがこのほど完工。2拠点で従業員の中途採用も再開した。同社は九州の拠点に研究開発や生産設備を集約する。

ソニーの半導体事業の大半を担うソニーセミコンダクタ九州は、デジタルカメラなどに使うCMOS(相補性金属酸化膜半導体)センサーなどの生産設備を増強する。ソニーが今期計画する同事業の設備投資額は前期比7割増で、ソニーセミコンの増額幅も同程度とみられる。6月以降、各工場の稼働率が9割超まで回復、増産に備え積極投資にかじを切る。

三菱電機は電子機器の省エネ化を助ける「パワー半導体」事業で、生産拠点のパワーデバイス製作所(福岡市)や熊本工場(熊本県合志市)などの体制を強化。今年度中に前期比2倍の約100億円を投入する。

パワー半導体は省エネ家電やハイブリッド車への組み込み需要に加え、太陽光発電など新エネルギー分野でも需要が急増。生産効率の高い8インチウエハーの生産能力を前期比2.5倍に引き上げ、組み立てやテスト工程の設備も増強する。

東芝は北九州市の半導体工場に約100億円を投じてラインを改造し、11年初めにも発光ダイオード(LED)照明の基幹部品である素子の量産に乗り出す方針。従来は外部から素子を調達してきたが、内製化でコスト競争力を高め海外勢に対抗する。

世界の半導体売上高は6月まで3カ月連続で過去最高を更新した。米アップルのスマートフォン(高機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)」や高機能情報端末のほか、3Dテレビなど新型液晶テレビ向けにLEDも伸びている。車載用需要も衰えていない。

九州経済産業局がまとめた九州の5月のIC生産金額は、607億円と前年同月比25.6%増え6カ月連続で前年を上回った。九州はシステムLSI(大規模集積回路)など先端分野の半導体のほか、環境分野での市場拡大が期待されるパワー半導体など競争力の高い製品を供給できる体制が整っている。

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