ベスト、エディオンに店舗譲渡 経営体質強化を急ぐ

2013/8/2付
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ベスト電器は1日、ヤマダ電機と共同で、公正取引委員会が求めていた寡占地域での8店舗の第三者への譲渡について、対象店舗と譲渡先を決定したと発表した。ヤマダとの資本提携に関わる懸案が解決され、ベストは再建に集中できる環境が整った。提携の効果は徐々に表れているが、かつての「家電王者」が輝きを取り戻せるか、これから真価を問われる。

今回、ベストが手放す店舗は九州の直営店5店とフランチャイズチェーン(FC)店1店の計6店。直営店は11月1日までにエディオンに譲渡するほか、FC店を運営していたカコイエレクトロ(鹿児島市、栫井銀二郎社長)はベストとのFC契約を解除した上で10月16日までにエディオンとFC契約を結ぶ。

今回の譲渡で店舗数は減るが、譲渡店舗の周辺には商圏が重なるベストやヤマダの店舗がある。このため、ベストの業績への影響は「実際に消費者がどれだけ他社に流れるのか見極める必要がある」(ベスト)とする。

ただ、FC契約を解除するカコイは鹿児島県内で28のFC店を運営している。九州外の不採算店を中心に店舗整理を進めてきたベストの店舗網が一段と縮小することになる。店舗譲渡とカコイの離脱後の国内店舗数は直営店149店、FC店205店となる。13年2月期末からそれぞれ10%(17店)、15%(36店)減る。他のFCに動揺が広がる懸念もある。

ただヤマダとの資本提携で条件になっていた一部店舗の譲渡問題が解決したことで、必要な手続きが一区切りついた形だ。「ヤマダとのインフラを生かして既存店の収益力を上げる」(同社幹部)という、資本提携の目的である経営強化に集中できる環境がようやく整ったともいえる。

ヤマダの傘下入り後、ベストの業績は改善しつつある。13年2月期には173億円の最終赤字を計上したが、13年3~5月期は5億4200万円の最終黒字に。3月に直営店で仕入れや物流システムをヤマダと共通化したことでの原価低減が寄与した。

「6月以降はさらに改善が進んでいる」と同社幹部は自信を見せている。システム共通化を6月にはFC店に拡大したほか、インターネット上で家電量販店が打ち出している最低価格よりも商品価格を引き下げる店頭サービスで「店舗の売り上げは上向いている」(同社)ためだ。

新たな取り組みも始めた。7月下旬に埼玉県越谷市にオープンしたヤマダの「テックランド」。ベストが運営を手掛けるヤマダブランド店の第1号店だ。九州域外で弱いベストのブランド力をヤマダブランドで補完しよういう取り組みで、今後も九州・沖縄、山口以外のベストの店舗は順次、テックランドへの転換を検討していくという。

相乗効果を高める取り組みはまだ緒に就いたばかり。経営に集中できる環境が整ったことで、生き残りに向けたベストの底力が試されることになる。

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