日銀の新貸出制度、観光・環境向け伸びる 関西9月末

2010/12/1付
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関西で日銀の新貸出制度を利用した企業融資が順調な滑り出しを見せている。関西の地銀、信金12金融機関の融資実績は9月末で408件、総額506億円に達した。全国同様、環境エネルギー、医療介護などの分野のほか、関西では観光やアジア進出向け融資も目立つ。京都の老舗旅館が制度を利用して改装に踏み切るなど中堅中小企業にも活用の幅は広がっている。

伝統的な和菓子メーカーがひしめく京都では、京菓子大手の鼓月(京都市)が新制度を活用する。年内にも賞味期限切れの菓子や製造中に出る廃棄物をリサイクルする装置を導入する。これまでは業者に委託して廃棄していた。乾燥し良質な豚の飼料として販売する。「環境への取り組みを強調でき金利も1%を切り利用しやすかった」(鼓月の木村秀一総務部長)

浅野運輸倉庫(滋賀県栗東市)は、室温をセ氏13~14度に保ちながら湿度を適正管理する新型の低温倉庫を10月に設置。二重構造の天井と空調によりコメの品質低下を抑える。商工組合中央金庫から1億円を調達した。

観光分野では京都の老舗旅館「祇園畑中」が芸舞妓(まいこ)さんとのお座敷遊びへ外国人を呼び込もうと28年ぶりに客室を改装する。資金は通訳する従業員雇用や外国語のプロモーションビデオの制作費にも充てる。

9月末の地銀、信金12機関の1件あたりの平均融資額は約1億2000万円。一方、大手行ではりそな銀行が近畿2府4県で1件平均2億円を融資する。特に同行のアジア進出向けは1件平均7億3000万円、医療・介護は4億5000万円と大口が多い。三井住友銀行は全国の約800億円の実績のうち2府4県が約150億円。近畿の貸出シェアとほぼ符合するという。

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