2019年8月20日(火)

路面電車の阪堺線、大阪・堺市が50億円支援 10年間めど

2010/7/1付
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堺市は30日、路面電車「阪堺線」を運行する阪堺電気軌道(大阪市)に、赤字が続く堺市内の区間に対する支援案を提示した。2011年度から10年間をメドに、総額50億円を財政支援するのが骨子。市が施設、車両を保有し、阪堺の費用負担を軽くする上下分離についても協議開始の意向を示した。苦境にある地方鉄道の抜本的な再建手法として上下分離は全国的にも期待が高い。存廃が取りざたされる堺市内区間の存続に向け大きく前進する。

堺市の竹山修身市長が市役所本庁舎を訪れた阪堺の山本拓郎社長や親会社、南海電気鉄道の福本滋治取締役らに支援案を示した。堺市と阪堺は今後詳細を詰め、存続の是非を協議する。堺市は市民の意見を聞いた後、市議会の了承を得て、9月末までに阪堺と存続合意にこぎ着けたい考えだ。

同日記者会見した竹山市長は支援案について「単なる赤字補てんではなく、阪堺線がこれから元気になる、より大きくなるための投資」と説明。一方、阪堺の山本社長は「お願いしてきた項目がほぼ入っている。存続を前提に協議を始められると思う」と評価した。

支援案で堺市は来年度から10年の間、利用者拡大に向けた運賃引き下げや、施設保守などに必要な経常的経費を毎年2億円を上限に助成。これとは別に乗り降りしやすい低床車両の導入、運賃支払いのICカード化など、利用者の利便性を高める投資の補助として10年間で30億円を充てる。

乗客の減少から堺市内区間は営業損益ベースで年間約2億円の赤字が続いている。前市長時代、堺市は市内区間の一部を11年春にも新型路面電車(LRT)化し、市中心街で並行整備する新線と相互乗り入れさせて、収支を改善する計画だった。

だが、昨年10月に就任した竹山市長は「新線整備について沿線住民の合意が得られていない」などの理由からLRT化計画を撤回。阪堺は今の状態では堺市内区間は存続できないとして、堺市に赤字解消や上下分離などの支援を求めていた。

路面電車は全国的にも数が少なくなりつつある。阪堺線は市内外に愛好者も多く、一部の市民の間で存続を求める運動が活発になっている。

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