2019年2月18日(月)

林原問題で中国銀けじめの一新 代表権者総退陣

2011/3/30付
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中国銀行は29日、永島旭頭取が退任し、宮長雅人常務が頭取に昇格する人事を発表した。大口融資先であるバイオ企業の林原(岡山市)の破綻をめぐって経営責任を問う声が強まっており、永島頭取ら3人の代表取締役が代表権を返上する。経営陣一新でけじめをつけた格好だが、林原の社有地の担保登記の扱いなど課題が山積しており、新経営陣は多難な船出となる。

永島頭取のほか、剣持一専務が退任。泉史博副頭取は代表権のない会長に就き、経済界活動を継続する。6月下旬の株主総会後の取締役会で正式決定する。

中国銀は林原向け債権が焦げつき、2010年4~12月期で18億円の最終赤字に転落した。11年3月期は最終利益こそ確保するものの、前期比71%減の大幅減益となる見通し。今回のトップ交代には業績悪化に対する引責という意味合いがある。

代表取締役が総退陣するという異例の人事の背景には、林原に融資をしていた他の金融機関からの強い批判も影響したようだ。林原が長期間にわたり決算の改ざんを続けてきたことについて、中国銀に監督責任があったとする声が強まっていた。

また林原の破綻直前に、JR岡山駅前にある約5万平方メートルの社有地に対して担保登記したことを不公正だとする意見も出ていた。

元日銀理事の永島頭取は証券子会社を作るなど経営革新に取り組んできた。2000年から11年務め、今期限りで勇退すると見られていた。

2月2日の記者会見で永島頭取は「林原の不正会計はすべての金融機関が見抜けなかった」と釈明。ただ、引責の必要性については「全くない」としていた。

だがその後、林原の不正経理の実態や、林原健前社長らオーナー一族への資金流出などの問題が明らかになる中で、引責は避けられないとの判断に傾いたもようだ。

林原は会社更生法の適用を受け、現在、更生管財人がスポンサー選定と更生計画の策定を進めている。その中で中国銀にとって焦点となるのが担保にとっている林原の社有地の扱いだ。

中国銀の現在の業績予想はこの担保が有効であることが前提となっている。だが更生管財人は「(他の金融機関から)公正・公平にしてほしいとの声が上がっている。必ず是正する」との姿勢。担保が認められなければ貸倒引当金の追加計上でカバーする必要があり、業績をさらに下押しする可能性もある。

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